人材をキャスティングしてとりまとめるプロデューサーが重要になる

絵を描くだけだったらうまい人は多数いるだろう。しかし、絵が描けて、かつストーリーを作ることができる才能の持ち主は限られている。

となると、いい原作があれば、その原作をうまく表現してくれる絵をつけることで、今までは漫画にならなかったものも、世に出てくるわけである。

実際、世界の小説UGC(User Generated Contents)サイトを大手プレイヤーが買収する動きは多数出てきている。

小説UGCサイトは、グローバルに存在するため、世界中からストーリーのネタを集めることができる。

そうなると、「この小説にこの漫画家で作れば売れるのではないか?」と着想し、それを実現できるプロデューサーの役割がより重要になってくる。

クリエイティブなオフィスのチームワーク
写真=iStock.com/FangXiaNuo
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コモディティ化したスペシャリストで生き残れるのは一握り

昭和はサラリーマン全盛の時代。平成はスペシャリストの時代であった。

しかし、スペシャリストが増えた今、もはやコンサルタントも会計士も弁護士もかつてよりはるかにコモディティだ。

今から参入しても、そこはレッドオーシャンである。

もちろんスペシャリストを目指すのも悪くはないが、世の中がインターネットによってつながってきており、情報も透明化されつつある。そうすると、仕事の指名は各分野のスペシャリストもトップ層に集中してかかるようになるはずだ。

前述したが、曲作りも、作詞に数名、メロディーに数名、トラックに数名と、制作に携わるメンバーを世界から集めて束ねるプロデューサーが不可欠である。

漫画も、作画・ストーリーと分業制を取りまとめるプロデューサーが必要だ。

よって、人々がつながったこれからの時代は、プロデューサーの時代である。

誰にどのような能力があり、どのようなことが得意かを把握して、物事の実現に向けて、最適な人を集め、実行をプロデュースする人材、「ビジネスプロデューサー」が求められる。

「このドラマには、この俳優とこの俳優、そしてこの脚本家で、この監督」というように、キャスティングを決めるのはプロデューサーの仕事である。

企業においても、何かプロジェクトを実行するときに、社内外から最適な能力を持つ人材を集めて、実現に向けてあらゆるものを動かしていく人材が求められる。