子どもの自殺が多い

図表3は、主要先進国における10代の子どもの自殺率である。

これを見れば日本は他の先進国に比べて、子どもの自殺が多いことがわかる。銃社会で簡単に自殺ができるアメリカと同レベルであり、若者の死因としては日本だけ自殺が1位となっている。イギリス、フランス、ドイツなどの子どもたちと比べれば、倍以上の数値になっている。

【図表】若者(10~19歳)の死因に占める自殺死亡率(人口10万人あたり)
出所=『日本の絶望ランキング集』(中公新書ラクレ)

子どもの自殺が多いということは、それだけ追いつめられている子ども、希望を見いだせない子どもが多いということである。

若者の自殺も多い

図表4は、主要先進国における20代の若者の自殺率である。

前項で日本では子どもの自殺が多いことを述べたが、若者の自殺も非常に多いのだ。

【図表4】若者(20~29歳)の死因に占める 自殺死亡率(人口10万人あたり)
出所=『日本の絶望ランキング集』(中公新書ラクレ)

若者の自殺が多いということは、日本は、若者が夢を見ることができない社会ということである。収入の格差が広がり、金持ちの子どもしか大学に行けなくなっているような現状が、自殺率にも表れていると言えるだろう。

ちなみに韓国の若者の自殺率も非常に高いが、これにはもちろん理由がある。

韓国では、経済の大半を財閥が握っており、財閥企業に勤めない限りまともな給料を得るのは難しい。大企業と中小企業の賃金格差がきわめて大きいのだ。

そしてもちろん、財閥企業に就職できるのはほんの一握りの人しかいない。2013年の調査では、中小企業で働く韓国人の割合は、87.5%だった(2015中小企業現況より)。つまり、大企業で働ける人は12.5%しかいないのである。