私たち大人は全員「時代遅れ」になっている

でも、子育てや教育の「○○するべき」「○○しないべき」は、多くの場合、ある人の過去の成功体験(あるいは失敗体験)に基づきます。さらに、その「過去」が、今とは大きくズレ始めているのです。しかも10年前のズレ幅に比べて、今のズレ幅はどんどん広がっています。さらに、これから10年のズレ幅は人類史上最大レベル……。

去年はなかった、人のように対話のできるAI技術がすごい勢いで普及しています。社会がどうなっていくか、だれにもわからない、未知のゾーンに入っていきます。いや、すでに未知の世界に入っていると言っていいでしょう。

下園壮太(著)、ひえじまゆりこ(イラスト)『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』(時事通信社)
下園壮太(著)、ひえじまゆりこ(イラスト)『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』(時事通信社)

この意味で、私たち大人は全員「時代遅れ」だと言っていいんです。

では、子育てにおいては、どうすればいいのでしょうか?

親御さんは、自分の中の「○○するべき」に早めに気づき、よく検証することです。お子さんを時代遅れの価値観で染めてしまわないように、なるべく「無色」でいて、おおらかに接していくことが、この後10年はものすごく大切になっていきます。

このような視点でも、自分の中にある「無意識の期待値」をチェックして、いたずらに自分を苦しめないようにしてくださいね。時代の変化への対応については、『令和時代の子育て戦略』(講談社)も参考にしてみてください。

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