メールの生産性を上げるにはどうすればいいのか。戦略コンサルタントの山本大平さんは「メールでは時候の挨拶やさまざまな気遣いといったサービス精神を抑え、シンプルなやり取りに徹するべきだ。自分自身のスタイルを確立させることで、要件のみのやり取りでも周囲から許容されるので、メールの文字数も回数も減らせる」という――。

※本稿は、山本大平『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)の一部を再編集したものです。

パソコンでメールを確認する人
写真=iStock.com/Rawf8
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メールの文字数も回数も減らす方法

Q チャットやメールに振り回されない方法は?

チャットやメールに振り回されて仕事が進みません。特にテレワークだとさばいてもさばいても次々に入ってくる感じで、終日返事に追われるような日もあります。メールやチャットのラリーは明らかに時間のムダだとは思っても、返信せずにやり取りを終わらせるのは失礼な気がして。ツールを上手に使う方法を教えてください。

A サービス精神を抑えシンプルなやり取りに徹すればそれがあなたのスタイルに

一番のお勧めは「あの人はぶっきらぼうなメールを返してくるけれど悪気はまったくない」というキャラを早めに設定してしまうことです。もし、このキャラ設定に成功すれば、要件のみのやり取りでも「あの人はそういう人だ」と周囲に許容されるので、圧倒的にメールの文字数も回数も減らせます。

キャラを確立するところまではいかなくても、時候の挨拶やさまざまな気遣いなどに関して、日頃からサービス精神を発揮しすぎないように注意を払い、メールであれチャットであれ、シンプルなやり取りを心掛けていれば、それがあなたの悪気のないスタイルであると周囲がいずれは認識してくれるようになります。

最初の印象はむしろ素のほうがいい

沼にはまってしまうパターンは、第一印象にこだわり、初回に無理した自分を見せてしまうこと。その場合、ずっとその偽りのキャラを演じ続けなくてはならなくなります。自分ではない自分ってとてもしんどいですよね。

もし、いつも丁寧で細やかな対応をしてきた人が、突然そうでなくなったら、周囲は自分が何かしでかしてしまったのではと、きっとあわてるはず。「なんだよ」とネガティブな印象にさま変わりすることもあります。つまり、最初からサービス精神を抑え、シンプルなやり取りに徹することは、実は相手に対する配慮でもあるのです。キーワードは「最初の印象はむしろ素のほうがいい」でしょうか。第一印象は1回ですから。

【生産性ゼロポイント】
最初から無理しない。
あなたのサービス精神が、長い目で見ると相手にも負担をかけることになる