子供のやる気を引き出すにはどうすればいいのか。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の星友啓さんは「結果より努力したことを褒めるのが効果的だ。他の子どもの能力を比較したり、決めつけたりする声かけはやめたほうがいい」という――。

※本稿は、星友啓『「ダメ子育て」を科学が変える! 全米トップ校が親に教える57のこと』(SB新書)の一部を再編集したものです。

新しい家に住む3人の若い日本人家族
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
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「結果」と「努力」どちらを褒めるのが効果的か

子どもの何を褒めるのかが肝心です。

まず、子どもができたことの結果を褒めるのは要注意。

「よくできたね!」と、褒めてあげたくなるのは親として自然な感覚ですが、子どもができたことばかりを褒めていると、子どもは次も同じように「よくできた!」と言われるような行動をとろうとしてしまいます。

その結果、「できる」とわかっている簡単なものしかやらなくなってしまったり、できないかもしれないと感じる難しいものに取り組んだときに、プレッシャーに感じ、やる気が出なくなったりしてしまいます。

一方で、子どもの結果を褒め過ぎてはいけないのに対して、子どもの努力を褒めるのは効果的です。たとえば、成績。数学の才能やしっかりした性格を直接的に褒めるのではなく、「たくさん頑張ったから、すごくできるようになったね」「意識して努力しているから、どんどん自分でできるようになってきたね」などと伝えてみてください。成果ではなく、努力のプロセスを褒めてあげましょう。

的外れな褒め言葉は逆効果

しかし、努力を強調し過ぎてもいけません。なんでもバランスが肝心です。たとえば、算数好きの3年生アリサちゃん。少し上の学年の問題集に取り組んでいます。

上の学年の問題でもスイスイ朝飯前。楽しく簡単に解いていきます。そこでやさしい先生がアリサちゃんの努力を褒めようとして「すごくよく頑張ったね」の一言。

アリサちゃんには頑張る必要のない、簡単な問題。それだけにアリサちゃんは的外れの褒め言葉に困惑して、先生からあまり理解してもらっていないように感じてしまうかもしれません。

それどころか、先生からみたら必要以上に頑張っているように見えた、つまり裏を返せば、頑張らずに解けるべき問題だったのかもしれないと思ってしまうことだってあります。そうなれば、アリサちゃんは、自分の能力が低いというイメージをもってしまいかねません。

そういった事態を避けるためにも、前述した褒め方の真実味のポイントに戻って、努力を褒めるときにもほどほどに真実味をもって伝えるように心がけましょう。