パナソニック、ソニー、シャープが相次いで大規模なリストラ策を発表している。不振に陥った最大の要因は、テレビ事業の収益構造にある。これまで3社とも経営資源の多くをテレビ事業に投入してきた。だが、価格下落が止まらず、つくっても儲からない状況が続く。

今年度に入り、厳しさはさらに増している。理由は2つある。

1つ目は、テレビの立て直しに時間をかけすぎたため、安定収益源にも影響が出ていること。パナソニックは白物家電や業務用AV機器、ソニーは金融、音楽、映画、シャープは白物家電、プリンターなど、一定の収益が見込める事業を持つ。だが、これらの事業だけでいつまでも全社を支えることは難しい。

2つ目はトップマネジメントの問題。今年に入り3社ともトップが交代したがパナソニックとシャープの前社長は会長として、ソニーの前CEOは取締役として残る。今のところ新経営陣の思い切った決断は見えていない。

はたして各社に活路はあるのか。

もっとも復活が期待できるのはパナソニックだろう。2012年4~6月期決算では3社中唯一、黒字となった。

00年代以降、業界を牽引してきたのは、iPodやiPhoneなどの創造的商品でヒットを飛ばしてきた米アップルである。家電各社の生き残る道は、アップルを軸に考えるとわかりやすい。

パナソニックの場合、白物家電と業務用AVを持ち、アップルが入りこめない市場で戦うことができる。津賀一宏新社長は“脱テレビ”を掲げ、白物家電を強化することを宣言している。AV事業よりも価格下落が起こりにくく、安定的に収益が見込める市場だ。

ソニーの事業領域はアップルとほぼ重なるため、今のところ対抗し続けるしか道はない。スマートフォン事業の立て直しが最大のカギとなろう。

シャープの活路は、液晶パネルなどの製品をアップルに供給することである。同社は台湾の鴻海精密工業と業務提携を結び、立て直しを図っている。鴻海の売り上げの36.7%を占めるのがアップルだ。一部メディアではシャープと鴻海の提携内容の見直しも伝えられているが、もし提携がうまく進まなければ、シャープがいっそうの苦境に立たされることは間違いない。