子供は遊びを形にしたスポーツからさまざまなことを学ぶ

遊びは子供の仕事です。遊ぶことこそ、子供の務めなのです。遊びを通じて知らず知らずのうちに、子供は物事を探求し、学び、成長します。上手に遊ぶには、余計な干渉をされず、時間が経つのも忘れ、夢中になってのびのびと楽しむことが大切です。

庭で一緒にサッカーをプレイしています
写真=iStock.com/Sushiman
※写真はイメージです

組織的なスポーツ活動はまさに、遊びの本格的な形態といえます。従うべきルールがあり、習得すべき技術やポジションがあり、そのうえでプレーが成立する。そんなふうに、スポーツは遊びを形にするのです。

どんなスポーツでも上達を促せば、激しい競争が生まれ、よりうまくなりたいという意欲が駆り立てられます。組織的なスポーツ活動でルールに則った行動をさせることで、子供は日常的な意味でもさまざまなことを自然と学んでいきます。

上達してそれに見合った結果を出すことに貪欲になり、自分の強さや限界を進んで認めるだけではなく、他の人の要求や権利も尊重することは、責任ある立派な大人になるためにはいずれも欠かせないものです。

スポーツはこうした領域の能力を高めてくれるものですが、良き親やコーチのアドバイスや指示や協力がなくてはうまくいきません。

子供のスポーツに冷静でいられない親の問題点

子供がいいプレーをして楽しめるように育てていくうえで、障害となることの一つが親自身の悩みです。親は自分にできなかったことや、やってこなかったことを子供に託したいという気持ちを抑えきれなくなることがよくあるのです。

競技での子供の様子が引き金となって、親には以前の記憶や感情がよみがえってくることもあります。そうした状況のなか、観客席でわめいたりケンカ腰になったりする親もいれば、その場から離れてひとりで脇から観戦する親もいます。応援に加わって子供のために全力を尽くす親もいます。心配で観ていられなくて、競技と一切関わろうとしない親もよくいます。日々抱えているプレッシャーや問題にこんな状況まで加わってくると、親は子供のスポーツに対してとかく冷静ではいられなくなります。