2012年8月30日(木)

「その資料、なるハヤで」のどこがダメ?

「時間×思考×直感」67のパワフルな技術【3】形容詞を使わず、数詞で話す

PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル

著者
横田 尚哉 よこた・ひさや
株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長

横田 尚哉

顧客サービスを最大化させる経営コンサルタント。世界最大企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の手法を取り入れ10年間で総額1兆円の事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的。「形にとらわれるな、本質をとらえろ」という一貫したメッセージから生み出されるダイナミックな問題解決の手法は、企業経営にも功を奏することから「チームデザイン」の手法としても注目が高まっている。著書に『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』(ディスカヴァー刊)がある。

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横田尚哉
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伝え方より、コトバの変換に注意する

コミュニケーションがうまくいかないとき、私たちは情報の伝え方に問題があると考えがちです。

実際、伝達の手段によって混乱が起きるケースは多くありません。電話で話したコトバはきちんと相手の耳に伝わるし、メールに書いたモジはそのまま相手の元に届きます。仮に手段による混乱が起きても、その多くは技術的に解決可能です。

注意したいのは「伝達」より「変換」です。

私たちは自分の頭の中で考えていることをテレパシーで相手の頭の中に直接届けることはできません。人と人の間でやりとりされるのは、考えではなくコトバやモジです。モジは単なる記号であり、コトバは単なる信号です。

つまり私たちは自分の考えを、モジやコトバという共通のツールに置き換えて相手に伝達していることになります。

ミスが起こりやすいのは、頭の中をコトバに変換するときです。自分の考えをコトバに置き換えるプロセスで情報に歪みが生じて、間違ったカタチで相手に伝わってしまうのです。

相手が情報を受け取るときも同じです。翻訳がうまくいって自分の考えを過不足なくコトバにできても、相手がコトバを理解するときに歪みが生じると、こちらの意図が正しく伝わりません。そこでコミュニケーションのズレが起きるわけです。

コミュニケーションのズレは、時間のロスだけでなく感情にも悪影響を与えます。「自分はこういうつもりだった」、「いや、そういうニュアンスではなかった」という水掛け論は人間関係に軋轢を生み、精神的に摩耗します。

こうした擦れ違いが起きる原因を、伝達手段のせいにするのは早計です。

むしろ自分の意図が正しく伝わらない根本的な原因は、考えをコトバに置き換えるときの変換ミスにある可能性が高い。

ここを間違えると、ムダな努力を重ねることになります。

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