年収900万円を超えると所得税の負担が大幅に増える

年収900万~1100万円未満がためらう出費
1位:交際費 27.0%
2位:趣味・娯楽・レジャー費 25.4%
3位:被服・美容・化粧品費 22.2%
4位:食費14.3%
5位:車両費・移動費 14.3%

40歳以降の管理職が多く、今の生活の満足度について「満足・やや満足」と答えた割合は52.4%と、年収700万〜900万円未満の年収レンジを下回っているのが興味深い。年収900万円を超えると所得税の負担が大幅に増えることが弊害の一つになっている可能性もある。

壁にもたれ頭を抱えるビジネスマン
写真=iStock.com/DNY59
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1100万円以上がためらう出費
1位:趣味・娯楽・レジャー費: 30.4%
2位:交際費 21.4%
3位:被服・美容・化粧品費 19.6%
4位:食費 16.1%
5位:車両費・移動費 8.9%

経営者や役員の割合が高くなり、賃金が「見合っている」(53.6%)という回答が最も多くなる。今の生活の満足度については73.2%が「満足・やや満足」と回答している。

以上のように、年収700万円未満の半数以上が生活に不満を感じているのに対し、年収700万円以上では約6割が生活に満足している。必ずしもお金がすべてではないものの、現実として年収700万円以上なら生活に満足と感じる人が多いと言えそうだ。

金銭的なストレスが生活の満足度にも影響

年収700万円以上の半数以上が「賃金は見合っている」と回答しており、趣味や娯楽への出費をためらう人は少ない。一方、年収700万円未満のうち4割が趣味・娯楽・レジャー費の出費をためらう傾向がある。

内閣府の「満足度・生活の質に関する調査報告書 2022」によれば、趣味の有無は心の健康状態に大きく影響する。「趣味や生きがいがある人」の半数以上はストレスがない状態だが、「趣味や生きがいがない人」の3割近くの方がストレスの高い状態にあるという。

「生きがいがない」と考える理由として「使える金銭の余裕がない」と回答している人が3割を超えており、生活満足度、生活の楽しさ・面白さの満足度がともに低いことが示されている。

お金のかからない趣味や娯楽もあるので一概には言えないものの、趣味や娯楽に出費できるゆとりの有無も、生活の満足度に少なからず影響しているようだ。