2022年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。人間関係部門の第4位は――。(初公開日:2022年9月14日)
20代、30代の酒の消費量が減少している。その理由は何か。経営コンサルタントの鈴木貴博さんは「『酒の味が苦手』というのは少数派で、酒を嫌いになったわけではない。行動変化の理由としては、『アルコールを飲むと生産性が著しく下がる』という見方が背景にありそうだ」という――。
居酒屋にてみんなでビールや日本酒で乾杯
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

酒離れの原因に挙げた「宴会文化の消失」「第3のビール」

もう何年もの間、「若者の酒離れが起きている」という話題がビジネスの世界で議論になっています。この話自体には諸説があって、若者に言わせれば「成人になった当初から飲んでいないので私たちは犯人ではない」といいます。国税庁の「酒のしおり」を見ると成人1人当たり酒類消費数量は1992年の年間102リットルをピークに、2020年には75リットルにまで減少していますから、誰かが酒を飲まなくなったのは事実です。

私はこの「酒離れ」についてこれまでもいくつかの説を唱えています。最初の頃は「酒を強要する宴会文化がなくなったこと」がきっかけだという説を唱えていました。私が社会人になった当初は先輩からとにかく最初はビールを飲むように指導されていたものですが、今ではこれはアルハラ(アルコールハラスメント)とされる行為です。社会にとっていい変化がおきてそれで酒類の消費は適正なレベルに落ち着いてきているという説です。

今年3月の連載記事では新ジャンルのいわゆる第3のビールが悪いんじゃないかという説を提唱しました。酒税が低いために安く飲めるけれどもおいしくはない。そんなものを成人直後から飲まされては、若者がお酒をおいしいと思わなくなるのは当然だろうという説です。

スマホもまた酒離れを助長しているのではないか

さて、その説の提示からまだ半年しかたっていませんが、今回は新説を提示したいと思います。それは「若者の酒離れを引き起こしている犯人はスマホだ」という説です。サントリー、キリンなどの飲料メーカーは敵を見誤っているのかもしれません。証拠を調べてみたいと思います。