東京大学野球部は抜群の就職実績を誇っている。元監督の浜田一志さんは「彼らは『文武両道のてっぺんに立つ者たち』といえるだろう。就職先も選び放題になっている。だが、挫折を知らないスーパーエリートではない。だからこそ、企業に評価されているのだろう」という――。

※本稿は、浜田一志『東大野球部式 文と武を両立させる育て方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

ダッグアウトの野球チームメイト
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学力水準が日本一の東大の野球部員とは

文武両道は、子どもの「得意技」を見つけるための最高の手段です。知力と体力をバランスよく育み、一芸に秀でたスペシャリストになるにも有効です。

東大野球部の選手たちは、甲子園常連校の選手に比べて野球に関しては実力が劣りますが、こと「野球×勉強」の両立にかけては、東京大学が国内でもっとも学力水準が高い大学であるだけに、「文武両道のてっぺんに立つ者たち」といえるでしょう。

そんな「文武両道のてっぺん」のシンボルとしての東大野球部員たちですが、決して全員が生まれつきのスーパーエリートではありません。いわゆる進学校の御三家と呼ばれるような私立名門高校出身の子もいますが、私同様に地方公立高校出身の子もいれば、偏差値40台から一念発起の逆転合格を果たした子など、入学・入部の背景はさまざまです。

しかし、そんな個性あふれる東大野球部員に共通する特徴を挙げるなら、以下の3つでしょう。

①努力を続ける才能・ポテンシャルを持っている
②時間の使い方がうまい
③負けることが嫌い
共通点①努力を続ける才能・ポテンシャルを持っている

東大野球部員たちは、総じて努力をコツコツと継続することの効果や、「基礎」を重視して反復できる忍耐力があります。

元来持っている才能だけではなく、努力を続ける効果を勉強や部活をする経験から実感し、そのために必要な行動を「習慣化」しています。