目標が決まれば逆算して「やるべきこと」を明確にできる

上のような志望校の決め方の何がよくないのでしょうか?

それは、「戦略が決定していない」ことです。

例えば「○○大学の○○学部に一般入試で合格する」という目標を立てているなら、「合格のためには夏ごろまでに英語で○○点、数学で○○点とる必要がある。そのためには今のうちにこの単元を理解しておく必要がある。そのためには……」といったように、逆算して「自分がいまやるべきこと」を明確にできます。

黒板に描かれた、山頂に旗が立つ山
写真=iStock.com/tadamichi
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もしこれができないなら、その目標は具体的な行程やアプローチを引き出せない「悪い目標」です。アプローチが見えてこなければ、何をするべきかがまったく見えてきません。大学に本当に合格したいのであれば、目標を「大学合格」から「○○大学合格」、「○○大学○○学部合格」と具体的にする必要があります。

とはいえ、受験生に「いますぐ志望校を決めろ」といったところで、どう決めればいいかわからず路頭に迷うことになるでしょう。「とりあえず決めなければいけない」と焦って適当な学部を選んだことで、受験勉強に身が入りきらなくなってしまっては本末転倒です。

「やりたいこと」は「やりたくないこと」から逆算する

ただむしろ、まだ社会にも出ていない受験生に、「自分の将来をイメージして志望校を決定しなさい」といったところで無理があります。そもそも自分のことも社会のこともわからないのに、それを教えないまま「やりたいことは何か」などわかるはずがないでしょう。

ここからは、そんな受験生が「やりたいこと」を見つけるための具体的な方法を紹介します。

やりたいことが思いつかないのであれば、逆に「やりたくないこと」「できないこと」から考えてみるというのはひとつの手です。

●「他人と話すのが苦手」
●「暗記ができない」
●「じっくり考えるのが苦手」

例えばこういったことが苦手だとしましょう。これを掘り下げていくと、「これの方が自分に合っている」というものが見つかってくるはずです。