個人消費はすでに冷え込んでいる

賃上げが期待できない以上、家計は節約に走らざるを得ない。

既に日本国民の家計防衛は始まっている。

総務省が発表した2022年12月の家計調査によれば、2人以上の世帯の実質消費支出は前年同月比-1.3%と2カ月連続でマイナスとなった。

まだ2カ月しかマイナスになっていない、という指摘もあるかもしれない。

ただ、それは前年同月比という「統計マジック」に引っかかっている。

2022年6月から9月まで実質消費支出はプラスだったが、それはちょうど前年に「まん延防止等重点措置」が発出されていたため、反動でプラスになっただけである。

2022年10月の実質消費支出もプラスだったが、それは「全国旅行支援制度」によって、交通・宿泊支出が大幅に増加した影響だと考えられる。

これらの影響を除くと、2022年6月以降、ずっと消費支出が下振れしている可能性もある。

家計は節約に走っている

個別企業の決算や業界紙を見ると、いま多くの消費者が低価格なプライベートブランドを選好している傾向が確認できる。

マイボイスコム社が2022年12月に発表した「プライベートブランド商品に関する調査」によると、2017年時点で「プライベートブランド商品を購入したいと思いますか?」という問いに対して「購入したいと思う」と回答した割合が20.8%だったのに対して、2022年は29.9%に増加している。

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写真=iStock.com/LordHenriVoton
家計は節約に走っている(※写真はイメージです)