加害者は「一生の傷」になると想像できない

私が同級生から受けた“性被害”をマンガ化した作品をブログで公開したあと、自分も性暴力、性被害を受けたというたくさんの方々からメッセージをいただきました。

そこにはさまざまな被害の様子が書かれていて、なかには目を覆いたくなるような体験談もありました。隠れた被害者がこんなにもいることに、ただただ驚きました。

今回、私が描いたのは「子ども同士」の性被害でしたが、大人から受けた性被害を含めると、その数は計り知れません。

また、女の子だけではなく、男の子が被害に遭ったお話もありました。性暴力、性虐待の被害は、男女関係なく起こり得ることです。

被害者の方は、口を揃えて「一生忘れることはできない」と言います。幸いにも私は、なんとか平穏な暮らしを取り戻すことができましたが、当時の記憶は死ぬまで忘れることはないでしょう。

ゆっぺ『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。』(扶桑社)
ゆっぺ『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。』(扶桑社)

でも悔しいことに、加害者は、忘れてしまうことが多いと思います。被害者に対して「自意識過剰だ、考えすぎだ」などと本気で言っている人がいることも事実です。

性被害で一生苦しむ人間がいることなんて、想像できないのでしょうね……。

日本は「性教育後進国」だと言われています。そんな日本では、被害に遭った子どもが誰かに助けを求めにくく、そしてそんな子どもたちがいることはあまり知られていません。

でも、子ども同士の性的な問題行動・性被害は起こり得ます!

まずは大人がそれを理解し、子どもにも教えていかなければならないのではないでしょうか。

園児がレイプの被害者になることも

ここからは、「子ども同士の性被害」の実態について、公認心理師・臨床心理士の鶴田信子さんの回答を紹介いたします。

Q.小さな子ども同士でも、性被害って起こるの?

A.子ども同士の性被害の実態について、データや調査で明らかにされていることは少ないです。でも、被害者支援の現場に寄せられる声はとても多いんです。幼稚園・保育園に通う子どもの被害もありますし、小学生以降になるとその数はさらに増えます。集団でパンツをおろすなどの行為は「いじめ」の言葉で片付けられがちですが、これも性暴力です。

そして、保育園児・幼稚園児でもレイプが発生しています。膣内性交に加え、男女を問わず、肛門性交や口腔性交(口を使って行う性行為)といった性被害も存在します。小学生から就学前の子どもに対して行われたケースもあります。

加害者は上級生や近所のお兄ちゃん・お姉ちゃんなどさまざまです。きょうだい間での性暴力も少なくありません。小さな子どもたちの深刻な性被害がたくさん報告されていることを、大人の皆さんにも知ってほしいと思います。