2022年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。食生活部門の第2位は――。(初公開日:2022年11月28日)
健康になるためには、どんな食事をとればいいのか。医師の南雲吉則さんは「糖質を控えるべきだ。特に朝食でご飯やパンなどの糖質をとることはデメリットが多くおすすめできない」という――。(第2回)

※本稿は、南雲吉則『体を冷やせば健康になる』(光文社)の一部を再編集したものです。

ビジネスマンと食事のイメージ
写真=iStock.com/kuppa_rock
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健康のために私は朝食をとらない

英語で朝食のことをブレックファスト(Breakfast)といいます。「Break」はブレーキ、止める、破るという意味。「Fast」はファスティング、空腹の意味ですね。

空腹のときは、ミトコンドリアが酸素とともに脂肪を燃焼するミトコンドリアモードになっています。そして朝、白米やパンを食べて体を「糖質モード」にするのがブレックファストの本来の意味です。

でも、せっかくミトコンドリアモードの体を糖質モードにしては、もったいなくないですか。ミトコンドリアモードのとき、体内では次のようなことが起こっています。

◎脂肪を燃焼してダイエットモードになっている。
◎青魚のように持久力のある有酸素運動モードになっている。
◎ミトコンドリアが増えてがんを予防してくれる。
◎サーチュイン遺伝子(若返り遺伝子)が目覚め、成長ホルモン、アディポネクチンも分泌されて、体が若返っている。

一方、糖質を摂れば、体は次のような糖質モードに変化します。

◆脂肪が燃焼せず、糖輸送体が糖質を脂肪に変えるので太る。
◆瞬発力はあるが持久力がない無酸素運動モードになり、疲れやすくなる。
◆がん細胞にエサをやることになる。
◆血管の内皮細胞のコラーゲンと糖質が結合して、頑固なコゲである「終末糖化産物(AGE)」ができる。これが、動脈硬化の原因となり、体も老化する。

朝食に糖質を摂るということは、ミトコンドリアモードの健康作用を捨て、糖質モードのデメリットを受け入れるという行為になるのです。私はミトコンドリアモードを維持するために、朝は糖質を摂りません。

世間では「健康のため、朝食をしっかりとりましょう」ともいいますが、これもよいこととは思いません。

朝はお腹が空いていないことが多いからです。

グーッとお腹がなる前にとる食事は、体をミトコンドリアモードにはしないのです。