高脂肪なのに脂質異常症になる人が少ない地中海食

和食をアップグレードさせるためには、ほかの食文化のいいところを取り入れる必要があります。世界のどの地域でも完璧な栄養バランスの食文化はありませんが、その中でも、医学的に注目されているのが地中海食です。

地中海食とは、イタリア、スペイン、ギリシャなどの地中海沿岸諸国の食習慣です。

2010年にユネスコがイタリア、スペイン、ギリシャ、モロッコの各国の無形文化遺産として登録。2013年にはポルトガル、クロアチア、キプロスが追加され、注目を集めています。

医学的に注目されている理由は、1957年からアメリカのミネソタ大学のアンセル・キース博士が中心となり、日本、アメリカ、フィンランド、オランダ、イタリア、ユーゴスラビア、ギリシャの7カ国で行なった疫学研究によります。

その研究によれば、地中海沿岸の国では高脂肪食が多いにも関わらず、脂質異常症が少なく、動脈硬化による狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などの血管系の病気も少ないことが報告されました。

和食に地中海食をミックスさせる

実際の地中海食には、以下のような特徴があります。

・ナッツやオリーブオイルを多く使う
・赤身肉は比較的少なく、魚や鶏肉を多く使う
・穀物は全粒穀物で、豆もよく使う
・乳製品はチーズとヨーグルトが中心
・お菓子の消費は控えめ
・赤ワインも適度に飲む

福島正嗣『朝食にパンを食べるな』(プレジデント社)
福島正嗣『朝食にパンを食べるな』(プレジデント社)

地中海食は、日本と同じように海産物が多く、参考になる部分が多いです。

地中海食にあって和食に少ない食材は脂質です。私も和食には、この足りない部分を補うことが重要だと考えます。

和食にはごま油があるので、積極的に良質の油を取り入れれば、医学的にも最善の食事になると考えます。私は豆腐や野菜、納豆などには積極的にごま油やオリーブオイルを使っており、和食の足りない部分を補っています。

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