玄米もヘルシーではない

白米は美味しいけれども栄養価が低いことが指摘されるようになり、近年は玄米や雑穀米を食べる人が増えています。外食チェーン店の定食でも、白米の代わりに玄米や雑穀米を選べるようになり、以前よりは栄養素に配慮した食事が広がってきたのはいいことだと思います。

しかし玄米も、白米に比べて食物繊維が多く、ビタミンBやE、ミネラルが含まれているなど優れている面はあるものの、ほかの食材に比べてヘルシーかといわれれば、むしろ不健康な食材といえます。

ビタミンやミネラルが含まれているからヘルシーだというなら、卵のほうが優れています。玄米と卵で、どちらのほうが栄養価が高くて痩せられるかといえば、卵です。

玄米がいいというのは、あくまでも白米に比べればであって、食べれば食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を起こすことには変わりないので、けっしてヘルシーとはいえません。

和食をアップグレードする

和食は主食と副食という概念で構成されていますが、先ほど述べたとおり主食は栄養価的には食べなくても困らないものです。

炭水化物をゼロにしなさいとまではいいませんが、まずは体にとって必須の栄養素から摂取することを考えるのが、本来の順番のはずです。この大前提を変えることが、国の宝である子どもたちの食育につながるだけでなく、日本人の健康寿命を延ばす第一歩につながります。

必須栄養素を摂ってもまだ空腹感がある場合に、炭水化物をデザート代わりに食べるぐらいの感覚でちょうどいいのです。

和食でおすすめの食材

ここまで白米を主食とする食文化を否定してきましたが、前述した通り和食すべてを否定しているわけではありません。白米が多すぎることを除けば、一汁三菜という概念自体は本来の食文化であり、素晴らしいと考えます。

和食(副食)の優れている点は以下になります。

・海産物を中心として栄養を取り入れる考え方
・生ものを積極的に取り入れ、高温加熱が少ない調理法
・食材の種類が多い点

こうした和食の優れた点を踏まえながら、推奨できる料理や食材を以下に挙げます。

・刺身…刺身は加熱しないため、栄養素をもれなく取り入れることができ、すべての人に推奨できます
・貝類…亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが豊富で、積極的に摂取してほしい食材です
・納豆…発酵食品は腸内細菌をコントロールするのに有効な食材です。ただし、納豆を食べて腹痛を起こす場合は控えてください
・海藻類…海藻類を積極的に食べる民族は少ないですが、海藻類は水溶性食物繊維やミネラルを多く含み、野菜同様に積極的に摂取すべき食材です

日本の水は軟水のため、欧米に比べると水からのミネラルの摂取は期待できません。その代わり海の食材が豊富なので、これらを積極的に摂取し、栄養管理をしていく必要があります。

刺身
写真=iStock.com/ShyMan
※写真はイメージです