その後の調査で、いわゆる「地中海食」は魚介が中心で、野菜や果物、豆類など植物性の食品が多く、パンや穀物の多くは未精製のもの。オリーブオイルを使い、食事のときにワインを飲むという非常にバランスがよい食生活だとわかってきました。

余談ですが、私もテレビ番組の取材で長寿者が多いサルデーニャ島の生活調査をしたことがあります。山間部の住人は羊や山羊の飼育で体を動かし、その乳でチーズや発酵乳をつくり、野菜も自給自足。そのおかげで長寿者が多いとされていました。

ビフィズス菌が増え、便秘改善効果も

オリーブオイルにはおもな成分としてオレイン酸が70%以上、リノール酸が7%弱含まれています。そのほかビタミンEやポリフェノールを含んでいるため、抗酸化作用ももたらします。また、悪玉のLDLコレステロールのみを低下させることで動脈硬化や心臓の病気を予防し、中性脂肪を減らす働きがあるとされています。

何よりも注目したいのは、オリーブオイルを摂取することでビフィズス菌が増えるというデータです。地中海地域では、オリーブオイルが腸の調子を整えるとして古くから信じられ、子どもなどにそのまま飲ませることもあるといいます。

便秘に悩む人に一定期間摂取してもらったところ、便秘が改善されたというデータもあります。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、加熱に強いですが、料理にそのままかけたり、あえ物やドレッシング、スープにたらしたりするのもおすすめです。

緑茶に含まれるカテキンのスゴイ作用

緑茶に含まれるカテキンはポリフェノールの一種です。これはお茶の渋味や苦味のもととなる成分ですが、強い抗酸化作用や抗菌作用があり、そこから生活習慣病や肥満を遠ざけ、血糖値の上昇を抑える作用にもつながっています。

日本茶
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

緑茶などが備えるポリフェノールとは、強い紫外線にさらされても自分では動くことができない植物が自らの身を守るために持つ成分のこと。それを人間がとった場合、健康を守る作用につながるのです。