日本の不動産が抱える「歪み」

日本の不動産市場は歪んでいます。国土交通省が2020年に発表した「既存住宅市場の活性化について」という資料では、新築住宅と中古住宅の取引数の比率は、新築85.5%に対し中古14.5%と、8割以上が新築住宅となっています。

一方、アメリカでは中古が81%、イギリス(イングランドのみ)では85.9%、フランスは69.8%が中古取引です。海外の成熟した市場では中古住宅の割合が多いのが一般的なのです。

日本で中古不動産の流通性が低い理由の一つが、先に触れた不動産会社による「両手取引」が常態化していることにあります。

不動産会社が物件情報を囲い込んで、両手取引を狙うため、中古不動産の流通が阻害されてしまうのです。

「両手取引」「囲い込み」アメリカでは禁止

日本では「両手取引」が当たり前のように行われていますが、海外は違います。

アメリカでは不動産取引を個人の不動産エージェントに依頼するのが一般的です。不動産エージェントは州に認定された資格で、個人事業主です。

両手取引は禁止されていて、一つの取引に、売主側と買主側で別のエージェントがつくのが常識です。

また、エージェントには厳しい審査があり、高い倫理性が担保されています。

アメリカでは不動産の囲い込み自体も禁じられています。

日本では不動産データベースとして「レインズ」が有名ですが、アメリカには「MLS(Multiple Listing Service)」というものがあります。

MLSの規模はレインズの比ではなく、物件そのものの情報にくわえて、登記状況や過去の取引履歴など、不動産にひも付くデータが網羅されています。

また、その情報の利用に制限はありません。