“アイ・メッセージ”で対話が始まる

相手(You)にかける言葉は、「アイ・メッセージ」(I Message)と「ユー・メッセージ」(You Message)の大きく2種類に分類できます。

日本語では主語が省略されることも多いですが、「私は~と思います」「私は~と考えます」のように「私は」から始まるのが、アイ・メッセージです。

この「その視点はなかった!」も主語を省略せずに表記すれば、「私には、その視点はなかった」と自分を主語にしています。

客観的真実や絶対的正解の提示ではなく「自分から見ると、こう思う」という意味になるため、相手と意見が異なる場合も「あなたは間違っている」という否定的なニュアンスで伝わることが少なく、「あなたはこう考え、私はこう考える」という、視点の違いから対話をスタートさせやすいのが、アイ・メッセージです。

会議を持つアジアのビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
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ユー・メッセージは反発を受けやすい

一方、アイ・メッセージの対義語がユー・メッセージです。「あなたはこうだよね」「あなたの意見は良い・悪い」というように、判断や評価を伝える言葉です。一般論や「真実」の観点から判断や批評する意味を持ち、言われたメンバーから(たとえ口には出せなくても)「そんなことない」「いえ、私は……」と否定や反発されやすいものです。

また、アイ・メッセージは「自分はこう思う」と、他人のせいにできない「発言リスク」をとっています。アイデアの発信者が「私はこうしたほうがいいと思います」と「発言リスク」をとっているのに、ユー・メッセージで自分の立場・スタンスを明確にせず、発言リスクもとらない状態だと、そこからは“対話‟は生まれにくいでしょう。

あなたは、アイ・メッセージで伝えていますか?

「上司が言うから……」や「会社はこう言っているから……」ではなく、自分を主語にした「私はこう思う!」を増やしていきましょう。