キャリアは「偶然の出会い」で生み出される

実際に「キャリア」は、計画された通りに構築されていくより、なにか偶然の出会いによって思いもよらずに生み出されることが多いのです。

たとえば、オフィスの廊下で、すれ違った隣の部門のリーダーに話しかけられ、雑談したことがその後の人事異動に影響を及ぼしたり、雑誌で興味を持ったオンラインセミナーに参加してみたところ、自分がワクワクするキャリアモデルに出会ったり……。

はたまた、街角でばったり学生時代の友人に再会し、飲みに行ったところ相手の話に触発されて、もともとは文系なのに最新プログラミングの勉強を始める、といったケースもあります。

「偶然の出会いによって興味を駆り立てられ、結果的にそれが自分のキャリアに影響を与えることになるのはよくあることです」

調査に協力してくれたメガバンクに勤める5%社員が、そんなふうに話していたのが印象的でした。

5%社員の読書量は「年48冊」、一般社員は「年2冊」

5%社員は、「読書術」にも共通点がありました。1年の読書量が平均48冊の5%社員、一方、平均2冊の一般社員。このように、読書量が圧倒的に多いのも5%社員の特徴です。

興味深いことに、さらに本の選び方、そして読み方にも一般社員と異なる傾向が観察されました。

年に48冊読む5%社員は、その70%以上をリアル書店で購入していました。お気に入りの著者の新作や急ぎで調べる必要があるものはネット書店で購入しますが、しかし、月に2度ほど書店に立ち寄り、3~4冊まとめて購入していたのです。

5%社員が書店の実店舗を訪れる理由

5%社員が書店に出向くのには理由が2つあります。

書籍の売れ行きランキングを見て、ビジネストレンドを確認するのが1つ。もう1つは、「偶然の出会い」を必然のものとするためです。

「これを買おう!」といった指名買いであれば、ネットが便利。しかし、書店をぶらつくと興味・関心をかきたてられる「面白そうな本」に出くわすことがあります。店頭のPOPや特設コーナーの平積みにふと足を止め、手にして「はじめに」と目次を読んで興味があれば購入してしまいます。