東京マラソンの参加費は倍以上の2万3300円に値上げ

2007年に東京マラソンが始まる前の国内レースはフルマラソンが5000円前後、ハーフマラソンは3000~4000円というのが一般的だった。しかし、初開催された同大会の参加費は1万円。これは衝撃だった。それでも抽選倍率は3.1倍で、その後も抽選倍率は右肩上がりで上昇。第7回大会(2013年)以降は10倍を超える“プレミアチケット”となった。

東京マラソンの大成功で、各地に定員1万人を超える大型マラソンが続々と誕生。いつしかフルマラソンの参加費は1万円が相場になった。

マラソン大会
写真=iStock.com/ZamoraA
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しばらくは“1万円時代”が続いたが、2013年のボストンマラソンで爆弾テロが勃発して風向きが変わる。警備を強化したことで費用が増加。東京マラソンは2020年大会の参加費を前年までの1万800円(2015~2019年)から一気に1万6200円に引き上げたのだ(※それでも抽選倍率はさほど落ちず、一般エントリーは11.1倍だった)

そこにコロナ禍が直撃。東京マラソンは2020年大会の一般の部が中止になり、2021年大会は2度延期して、2022年3月に開催された(2022年大会は中止)。そして2023年大会の参加費はというと、2万3300円。10年前の倍以上になっているのだ(※ただし、参加費のなかには事前検査費用も含まれており、検査を実施しない場合は一部を返金することになっている)

また出場者はコロナ以前と比べて、さまざまな制限が課せられている。まずはスマートフォンが必須となる。主催者指定の体調管理アプリをダウンロードして、レース10日前から体温、体調チェックを記載しなければならない。それからゼッケン引き換え(ランナー受付)は事前予約制で、主催者指定の検査も受けることになる。そこで「陽性」と判定されれば出場できない(※検査費用などを差し引いた額が返金され、来年以降の大会に抽選なしで出場できる)

大会当日も検温が実施され、手荷物預かりは有償(1000円)となる。今年の大会では3グループが10~15分おきに走り出すウェーブスタート方式が採用され、出走1分前までマスクを着用。走行時は不要だが、マスクは走行時も携帯した。給水は手を消毒してから受け取るなどの感染対策も実施された。

参加費の高騰は東京マラソンだけではない。8月に3年ぶりに開催された北海道マラソンは2019年の1万1000円から今年は1万6500円にアップ。多くの大会がコロナ前と比べて、4000~5000円ほど金額を上げている。とはいえ、値上げ分はPCR検査代が中心だ。

そのなかで10月16日に開催された東京レガシーハーフマラソンの参加費は2万700円。国立競技場がスタート・ゴールとはいえ、ハーフでこの料金はちょっと驚いた。それでも重要と供給のバランスが取れていれば問題ないだろう。