年金を夫婦でお得にもらうにはどうすればいいだろうか。社労士の増田豊さんは「年の差夫婦なら加給年金をもらうほうがお得になる可能性が高い。その場合、夫の老齢厚生年金は繰り下げず65歳で受給するほうがいい」という――。

※本稿は、増田豊『結局、年金は何歳でもらうのが一番トクなのか』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

年の差夫婦が知っておくべき「加給年金」

加給年金とは、「年金の配偶者手当」とも呼ばれる制度です。

厚生年金に20年以上加入している人が、65歳になった時点で「65歳未満の配偶者(妻もしくは夫)」がいる場合、配偶者が65歳になるまで「毎年38万8900円」(令和4年度)が支給される制度です。

65歳の夫と、5歳年下の妻という夫婦で、夫が20年以上厚生年金に加入していた場合を想定してみましょう。

夫が65歳で厚生年金の受給を開始すると、5歳年下の妻が65歳になるまでの5年間、毎年38万8900円、合計で194万4500円が、「夫の厚生年金に加算されて」支給されることになります。

この加給年金が支給される条件を「図表1」で示します。