学年で下から10番目が上位10位以内に大躍進

とはいえ簡単なことではない。高3の夏休みは先輩グループのバックについて全国をまわった。本格的な受験勉強は9月になってからだった。

AERAMOOK『就職力で選ぶ大学2023』(朝日新聞出版)
AERAMOOK『就職力で選ぶ大学2023』(朝日新聞出版)

「センター試験まで4カ月ちょっと。さすがに仕事は半年間休ませてもらって、そこからめっちゃ勉強しました。朝6時に起きて学校行って、始業まで1時間勉強して、授業が終わったら塾に行って、夜12時まで勉強。寝ている時間以外はほとんど勉強していました」

努力のかいあって、下から10番目だった成績が学年10位以内に。まさかの大躍進だ。

「死ぬ気でやりました。負けず嫌いで根性だけはあるんです。目標を決めたらそのために何をするか考えて、あとはもう集中するだけ。でもたまに『今日はもう無理』っていう日もありますよね。そういう日は潔く休むようにしています」

そうまでして国公立大学を目指した理由を聞くと、事務所の先輩である、嵐の櫻井翔さんへの尊敬とあこがれがあるという。

「アイドルにも学歴が役立つんやって、櫻井くんが身をもって示してくれました。アイドルがキャスターになるなんて昔は考えられへんかった。しかも俳優も司会も作詞もされてはる。尊敬しているからこそ(慶應義塾大卒の)櫻井くんとは違う道を進んで、違う風景を見たい。ぼくが公立の高校・大学を選んだのは、そんな気持ちもあるんかなぁと思います」

大阪市立大を第1志望にしたのは、仕事場に通いやすい場所に大学があったから。経済学部も「コメンテーターの仕事がしたいので、役立ちそうな学部」と考えて決めた。

「大学に入ることは目的ではなく、夢をかなえる“手段”でしたから」