キャピタルゲインが狙える

では、何が儲かるのか。

それは、物件によっては、キャピタルゲインが狙えるのだ。

冒頭の京都やニセコの事例でみるように、その圧倒的な外資系のブランド力と希少性と利便性から、一部のホテルコンドミニアムは流通市場において販売当初の価格よりも高値で取引されているのだ。

とりわけ、海外富裕層・投資家の目線は、インカムゲインではなく、あくまでキャピタルゲインだ。単純な話、1室1億円の物件が、倍の値段で売れれば税引き後でも相応のキャピタルゲインを得ることができるのだ。

海外富裕層にはなじみ深い仕組み

もともと、ホテルコンドミニアムは、海外から導入された仕組みであり、海外富裕層には一般的でなじみ深い投資手法のひとつである。英国の高級経済紙Financial TimesのWeekend版のHouse&Homeには、英国、フランス、イタリア、モナコをはじめ、欧州や地中海やカリブ海、米国を含め世界中の高級ホテルコンドミニアムの広告が、サザビーズやクリスティーズ、バークシャーハサウェイといった高級不動産仲介会社によって掲載されており、世界の高級不動産物件のトレンドや水準を感じることができる。

インフィニティ プール (夕暮れ時)
写真=iStock.com/imaginima
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なお、日本の別荘やマンション、邸宅の物件が掲載されることもあり、Web版では、東京や軽井沢や伊豆の高級マンションや別荘物件だけでなく、高級ホテルコンドミニアムや町家、古民家などの物件も紹介されている。

こうしたなか、ハワイや東南アジアなどでは日本人富裕層もホテルコンドミニアム投資の実績があるものの、国内での新規物件が増加するなか、華僑など海外富裕層に交じって、法人名義による福利厚生利用を含む、首都圏や一部関西圏の日本人富裕層による、国内のホテルコンドミニアムの購入が増えてきているのだ。

ハワイや欧州など海外のホテルコンドミニアムと比べて割安、東京都心の不動産よりも成長性がある、キャピタルゲインが期待できる、外資系ブランドホテルのステータスや話題性といった点が投資のポイントとなっているようだ。