平日の買い物と週末の買い物の違い

【田中】小売およびスーパー業界全体から概観して話を進めていきたいと思いますが、この何十年かの業界の動きを総合スーパーの売り上げで見ると、やはり食品は引き続き堅調といいますか横ばいですが、非食品の売り上げは落ちています。

一方、専門店チェーンの売り上げは伸びているという構造があります。さらに業界を広げて考えると百貨店は業界規模も縮小しており、その替わりに伸びてきたのは巨大なショッピングセンターや専門店のチェーンです。そこから読み解くと、やはり人々はそれぞれのカテゴリーで専門性が高いものを求めているともいえます。

平日の買いものでは主に最寄品もよりひん(※1)が中心、いかに最寄品を便利にワンストップで買えるのかが重要です。対して土日、週末はファミリーが買い回り品(※2)を求め、時間消費する。イトーヨーカドーの強みとしては、平日の最寄品は総合スーパーの強みを活かしていますが、週末の買い回り品を求める家族の時間消費については強い店舗もあれば、そこに課題がある店舗もあると思います。週末の買い回り品を求める時間消費は「楽しい買いもの」と密接につながるかと思います。その辺はどうお考えですか?

※1最寄品:日常に使用する製品のうち、自宅や職場なども最寄りの店舗(コンビニやスーパーなど)で買う商品のこと。
※2買い回り品:ある商品を購入するために、いくつかの店舗を回って比較検討するような商品のこと。

【山本】私たちの店舗は立地も形状も規模も全部バラバラです。よくいえば幅広い展開ですが、なかなかフォーマットが統一されていません。ショッピングセンター業態のアリオはまさしく時間消費型の店舗として、週末を中心に多くのお客さまに足を運んでいただいています。週末の課題は、GMS(General Merchandise Storeの略、総合スーパーのこと)タイプの店舗にあると思っています。

これらの店舗にはテナントはありませんが、例えばもっと地域と連携してイベントを一緒にやるなど、新しい店舗としての機能、役割をつくることはできると思っています。今までは私たちができることは自分たちの売り場をなんとかすることであり、後はテナントさん頼みになっていました。その結果GMSタイプの店舗は週末が弱いと決めつけていましたが、GMSといっても他の小売店から見ると、ある程度規模はあるわけです。いかにお客さまが足を運びたくなるような来店動機をつくるか。そこにはまだチャンスが残っていると思います。