自律神経と血管・血液、腸は互いに影響し合う

さらにもう1つ、自律神経がコントロールしている重要なものがあります。それは「腸」です。

小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社)
小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社)

自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。

自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質(十分な栄養と酸素をのせ、老廃物を回収できているか)を左右しています。血管・血液は自律神経からは血流、腸からは質の影響を受けていることになります。

交感神経は日中、アクセル役として体を活発な状態に導いてくれますが、胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします。

免疫機能を左右する「トライアングル」

朝の排便が理想的なのは、夜中のうちに副交感神経の影響で腸が活発に働いて、翌朝の排便の準備をしてくれているからです。朝、自然とトイレに行きたくなるのは、夜の間に副交感神経がしっかりと働いてくれた証拠です。

つまり、自律神経のバランスが崩れて副交感神経の働きが衰えると、血流が悪くなると同時に、腸の機能も低下して便秘になったり、腸内環境が悪化したりして(腸内に有害な細菌が増えます)、さまざまな不調や病気の原因になるということです。

また、自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています