それまでの世界が一変した…

うつ病やうつ症状、ネットいじめなど、コロナ禍でのさまざまなストレスが引き起こすメンタルのトラブル、寝込むほどではないけれど、これまでとはちょっと違う体の不調や痛みなども増えていますが、これらもまた、自律神経の乱れが引き起こしている現象です。

長引くコロナ禍のために、私たちの自律神経はすっかり乱されてしまいました。

これまで私は、長年にわたって「自律神経を乱さないことが大切」とお伝えしてきたのですが、いまや、自律神経を乱さないようにするどころか、自律神経が乱れていることを前提に、そこからどう立て直すかを考えなければならなくなってしまったのです。

ですから、私たちが負の連鎖を抜け出し、本来の健康を取り戻すためには、いま一度自律神経を整え直し、その安定を取り戻すことが必須だといえるのです。

神経とは「情報伝達の道」のこと

自律神経とは、文字どおり「自律した神経」のことです。そして、神経というものはまず、体の中の「情報伝達の道」と考えていただけるとわかりやすいかと思います。

たとえば、私たちが転んで足首を痛めたとき、強い痛みを感じると同時に、自然と足を引きずって歩くようになります。

この現象は、足首で発生した痛みの情報が神経という道を通って脳に伝わり、脳が「これ以上動かすと悪化する」と判断して「足首を守れ」という指令を出し、それがふたたび神経という道を通って筋肉に伝えられることによって起こります。

この情報や指令の通り道(神経)は、人間の体の隅々まで張り巡らされ、常時その役目を果たしています。

「中枢神経」と「末梢神経」

神経は、「中枢神経」と「末梢まっしょう神経」の大きく2つに分けられます。

中枢神経とは、「脳」と「脊髄せきずい」の総称です。脊髄は脳から腰まで伸びている神経細胞の束で、背骨(脊椎)の中に保護されるような形で存在しています。

中枢神経は全身から集まってくる情報を処理・判断し、全身に指令を送る神経系統の中心的な役割を担っています。歩く、物をつかむなど、自分の意思で手や足を動かすことができるのは、この中枢神経のおかげです。

一方、末梢神経は、中枢神経から手足など体の末端まで網の目のようにネットワークを張り巡らせている神経で、「中枢神経以外の神経」という言い方もできます。