子どもの分もマイナポイントを受け取るには子ども名義の口座が必要だ。口座を開設する際に気を付けるべきことは何か。マネーコンサルタントの頼藤太希さんは「子ども名義の口座で貯めたお金を譲渡する場合に、贈与税の対象になる場合がある」という――。
計算機と赤ちゃん
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子のマイナポイント受け取りには口座開設が必要

最大2万円分のマイナポイントがもらえるキャンペーン「マイナポイント第2弾」が始まっていますが、これは赤ちゃん含め未成年者も対象です。未成年者の場合は保護者名義のキャッシュレス決済でも受け取れます。

ただし、このマイナポイント第2弾では1つ注意点があります。

15歳未満の未成年者は、本人の代わりに保護者(法定代理人)が申請可能で、15歳以上18歳未満の人は、本人が手続きする必要があります。

マイナンバーカードに「公金受取口座」の登録を行うと、7500円分のポイントがもらえるのですが、子どもの分の登録は「子ども名義の口座」でなければなりません。

子ども名義の口座をまだ持っていない人は、新規開設してから「公金受取口座」の登録を行い、マイナポイントをもらう流れになります。

マイナポイントを受け取るためにこれから口座開設するという家庭も多くなることが予想されますので、今回は、子ども名義の口座の活用方法や注意点を解説します。

「子ども名義の口座」をお金教育に活かす

子ども名義の口座を作るならば、マイナポイントを受け取るためだけに開設するのではなく、子どものお金教育に活用したいところです。

子ども名義の口座活用で教えられるお金のことは、大きく分けて3つあります。

①自分で管理することで「お金の使い方」を意識できる

子どもが自分専用の口座を持つことで、「これは自分が管理する大切なお金」という意識が芽生えます。この意識が、お金の使い方を意識し大切に使うようになることにつながります。

お金を大切に扱うことに関しては、子どもに手渡すお金を「お駄賃制」から「お小遣い制&お小遣い帳管理」にすることでも、同様の効果があります。

筆者の家庭では、子どもが小学4年生になるタイミングでお駄賃制からお小遣い制にチェンジしました。お駄賃制のときには、手渡していたお金を全部使い切っていました。しかし、お小遣い制にすることで、自分のお金という意識が生まれ、本当に欲しいもの・必要なものだけを選んで買うようになりました。自分でお金の使い方を考えるようになったのです。

日々の生活の支出をお小遣い帳に記載して管理し、まとまったお金は子ども名義の口座に入れ、親子で残高状況を共有します。

②「まとまったお金があるから選択肢が増える」ことを学べる

「買いたいものがあってもお金がなければ我慢しなくてはいけない。だからお金は貯蓄したほうが良い」という感覚が学べます。貯蓄しないでいれば、いつまでたっても大きな買い物はできません。普段から、無駄遣いをしないことにもつながっていきます。

もっとも、貯蓄の目的は「お金をただ貯めること」ではなく、「貯めたお金を使うこと」にあります。

しかし、子どものお金の使い方に口出ししないようにしましょう。たとえ大人から見て無駄遣いになりそうとわかっても、我慢して子どもに失敗を経験させましょう。子どものときに失敗した経験がないばかりに、大人になってから浪費してしまう……というケースもあるからです。子どもの「これは買う必要なかったな」という失敗の経験が、金銭感覚を養います。

③銀行の仕組みがわかる

銀行を利用することで、銀行の仕組みが自然と身につきます。銀行を活用するうちに「キャッシュカードを無くしたらどうする?」「預金に利息がつくのはなぜ?」「ATM手数料がかかるのはなぜ?」「手数料はいくらかかる?」「手数料の金額が銀行によって変わるのはなぜ?」などと疑問が出てくるでしょう。それを親子で共有して学ぶことで、さらにお金のことを深く知ることができます。