「障害年金+就労で計月13万円」を目指せるか

現在の長女は、食事は調子が良い時は一日2回。調子が悪くなるとほとんど何も口にしないこともあるそうです。お風呂に入ることも面倒くさがるようになり、身だしなみもあまり気にしなくなってしまいました。掃除、洗濯、買い物などはほとんどすることがなく、母親に頼る生活を送っています。月1回の通院も一人ではできず、母親が運転する車で通っています。

母親の話から、長女は仕事や日常生活にかなりの支障が出ている様子が伺えました。ただ、長女自身が「このままではまずい」と自らを震い立たせ、心療内科を受診したことが吉と出ます。

筆者は次のような提案をしてみました。

「就労だけで月13万円を稼ぐのではなく『障害年金と就労を組み合わせて月13万円を目指してみる』といったことも検討してみてはいかがですか?」

オフィスで仕事をする女性たち
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです

この提案に両親も同意を示したので、筆者は障害年金について説明をすることにしました。

「ご長女様は会社員の時(厚生年金加入時)に初めて病院で受診(発達障害)をされたとのことなので、障害厚生年金を請求することになります。障害厚生年金は3級から1級まであり、より障害状態が重い方が1級となります。仮に障害厚生年金の2級に該当すると、障害基礎年金の2級および障害年金生活者支援給付金も併せて受給することができます」

その説明を受けた父親は疑問を口にしました。

「長女の場合、障害年金はいくらくらいになるのでしょうか?」
「障害基礎年金および障害年金生活者支援給付金は定額です。一方、障害厚生年金の金額は人によって様々です。なぜなら、厚生年金加入時の給与や賞与の額によって変わるからです。ご長女様の当時の年収が大まかに分かれば大体の年金額は試算できます。それでもよろしいでしょうか?」
「金額はだいたいでかまいません。長女は会社を転々としていたのですが、年収は200万円を少し超えるくらいだったと思います」