相手が求めている基準は明確にしておく

【カピバラ部長】「また、別の観点もある。仮に、課題の具体化をして『当社はこのように解決できます』と提示したとき、お客様が提案をGoodかBadか判断できるようにすることだ。

例えば、『リピート率を上げる提案』をするとしよう。このとき、お客様は『リピート率を60%から80%に上げたい』と思っているのに、こちらの提案が『せいぜい70%までしか上がらない施策』だったら、お客様の求めている基準は満たせないよね。

この場合『リピート率は、現状の60%から80%へと、20%上げる必要がある』という基準を聞き出しておく必要がある。解決のイメージが湧くまで、色々な角度から具体化のための問いを投げてみよう」

生産性はアプローチに手を差し伸ける
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漏れを防ぐために、事前に相手の課題を想定しておく

【マサル】 「具体化についてはわかりました。ただ、一つのキーワードを具体化できても、他にも何かあるのでは? と不安になりそうです」

【カピバラ部長】「そんなときは『他にはありませんか?』という深掘り質問を使って、漏れがないかどうかを確認していこう。漏れがないか確認したとき、すぐに返事がくることもあるが、お客様がまだそこまで考えきれていないこともある。

その場合、選択肢付きクローズドクエスチョンを使って、『例えば、他のお客様からは〈業務効率化〉や〈組織の巻き込み〉のようなことも出てくるのですが……』というふうに、いくつか具体例を出してもいいね。網羅的に押さえるポイントは、商談の前に、ありそうな課題の仮説を立ててから臨むことだ」

【ノリコ】「私は新人時代、商談の事前準備をするとき、『お客様から出てきそうな課題やお悩みは何か』を考えて、ノートに書き出していました」

【マサル】「さすがノリコさんですね! 僕も見習います」