「故意に走塁妨害を狙うようなアンフェアなプレーが多い」という印象

日本学生野球憲章の第2条(学生野球の基本原理)の②には「学生野球は、友情、連帯そしてフェアプレーの精神を理念とする」と記されている。

ある高校野球関係者に話を聞くと、聖隷クリストファーは「故意に走塁妨害を狙うようなアンフェアなプレーが多い」という印象を持っている学校が少なくなかったという。そうした報告を受けた高野連がセンバツ代表校を選ぶ際の材料のひとつにした可能性はゼロではないだろう。とりわけ公明正大をよしとする高野連のことである。走塁妨害を意図的に狙うような行為をするチームは「東海地区の代表にふさわしくないのではないか」と考えても不思議ではない。

1999年のセンバツから、走者やランナーコーチが、捕手のサインを盗んで打者に伝える行為は禁じられているが、その後も「サイン盗み」は何度も問題になっている。しかし、疑わしい行為があったとしても白黒ハッキリつくことはほとんどない。故意の走塁妨害も同様だ。だからこそ高野連は「別の理由」を全面に押し出さないといけなかったのかもしれない。

阪神甲子園球場
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そこで高校野球を中心に取材をしているスポーツライターに尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「問題行為があるとボーダーラインよりやや上くらいのチームなら落とされる材料になってもおかしくありません。過去にはラフプレーやサイン盗み疑惑で落とされたチームもありました。その時は堂々と言っていたのですが、近年は落選校に配慮して表立って言わない方向に変わったと聞いています。オブラートに包んで、(高野連東海地区の鬼嶋一司選抜選考委員長が)『頭とハートを使った野球』と表現したのが逆効果でしたね」

高野連は世間体を気にしたのかもしれないが、今回の選考理由はやや強引だったような気がしている。球児たちに“本気”で説明すべきではないだろうか。