集中力や記憶力を上げるにはどうすればいいのか。脳科学者の西剛志さんは「受験や大事な仕事の前には、血糖値が急激に上がりにくい食事を心がけてほしい。『夜食にケーキ』といった食事を取ると、パフォーマンスを落とす恐れがある」という――。

※本稿は、西剛志『脳科学者が教える集中力と記憶力を上げる 低GI食 脳にいい最強の食事術』(アスコム)の一部を再編集したものです。

学問成就、合格と書かれた絵馬
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実力が発揮できない原因は「脳のエネルギー不足」

テスト中や勉強中に頭がぼーっとして、実力が発揮できない。成果が上がらない。大事な時期に子どもがこのような事態に陥らないためにおすすめするのが、ズバリ「低GI食」を摂ることです。

低GIという言葉は、一時期ダイエットで注目されたためご存じの方も多いかもしれません。簡単に説明すると、食後の血糖値が急激に上がりにくい食事のことです。

これまで低GIは健康効果ばかりが注目されてきましたが、最新の研究で、低GI食を摂ることが、学習効果(継続的な集中力や記憶力)アップにつながったり、脳のパフォーマンスを上げるために効果があったりすることがわかってきました。

考えたり、記憶したり、計算したり、思い出したり。脳を働かせるにはエネルギーが必要です。脳がエネルギー不足になると、集中力が切れたり、思考能力が落ちたり、精神が不安定になったりします。

そのエネルギーは食事で糖質をとり消化吸収されることで生み出され、血管を通して脳に運ばれていきます。ですから、テストの前、「緊張して食事がノドを通らないから朝食を食べずに、試験に向かう」「食事をする時間がもったいないから食べない」というのは、当然ながら避けた方がいいでしょう。