加害者家族が守られる日は来るのか

犯罪被害者に関する法律の支援は充実しているが、加害者家族に対してはまだまだ理解不足で、重大な人権侵害を生んでいる。

「加害者の家族だとしてもプライバシー権や名誉権の侵害に対しては、法的手段を駆使して堂々と対抗すべきです。しかし、インターネット上に掲載された情報は、無制限に拡散される可能性もあり、完全に削除することは極めて困難です。そのため対象とされた人やその周囲の人たちが将来にわたり苦しむ重大な人権侵害を引き起こす危険があります。かと言って、インターネット上の情報の規制を法的に行うのは表現の自由等とのせめぎ合いから簡単ではないでしょう。非常に困難な問題です」(荒井弁護士)

取材後、浩次さんは帰る道中でも「被害者」の立場を非常に尊重していた。長女の死と向き合って悲しみも癒えない中、自らを戒めるようにこう語気を強めた。

「判決文を読んだんです。遺族の方の最後の言葉もありました。もし母親がやっているとしたら、取り返しがつかないし、えらいところに足を突っ込んでいるという感情が改めて芽生えたんです。ただ、母親の首にロープを掛けられるとなると……。被害者の方と対立したくて冤罪を訴えている訳じゃない。それだけは分かってほしいです」

この悲痛な声が、果たして報われる日が来るのだろうか。

【関連記事】
「精神科医が見ればすぐにわかる」"毒親"ぶりが表れる診察室での"ある様子"
「忘れると8万5000円の損」年末調整で多くの人が知らずに損をしている"ある控除"
「NHK大河ドラマでは描きづらい」渋沢栄一の激しすぎる"女遊び"の自業自得
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ