利用者の裾野が広がれば商売の幅が広がる

利用者の裾野が広がる、ということは商売の幅が広がるということだし、「ワンチャン」も生まれやすくなる。「思いつきのアイデアで○億円集めた」みたいなことが増えていくのはやっぱりロマンがあって楽しいじゃん。

海外には「クラウドファンディングマニア」みたいな人たちがたくさんいて、それこそ「裏山に穴掘りたいんだけど、支援よろしく!」みたいなアホなプロジェクトでもサクセスをしてしまい、クラウドファンディング界を盛り上げてくれている。今後は日本でももっとプラットフォームが「クラウドファンディングマニア」を育てていったらいいなと思っている。

クラウドファンディングはまだ新しい仕組みで、「お金を集める」というシステムの性質上、メディアなどで報道され、話題になるのは炎上案件が目についてしまうが、最近はピーキーなガジェットを入手する方法としては非常に優秀だという認識は広まっているように思う。

実際、中国や香港などのとがった発明品を展示会で見つけて、それを日本で販売するためにクラウドファンディングを利用するという流れは、すでにビジネスに組み込まれつつある。ガジェットに特化したプラットフォームも存在する。

Kickstarter のウェブサイト
写真=iStock.com/GoodLifeStudio
※写真はイメージです

今後ますますハードルが下がって一般化していく

一方でまだまだ「なんか胡散くさい」というイメージは、そりゃそうだろうなと思う。特にガジェット系のバクチ感ったらない。日本のプロジェクトでもコケるところはコケるけど、海外サイトのバクチ度はその比じゃない。実際、俺が「Kickstarter」で実際に支援した案件は20件中8件がコケている。もちろん金は返ってこないし、そのプロジェクトオーナーは大炎上だ。

でも、クラウドファンディングは本来そういう側面があるものだし、確実性の高いプロジェクトばかりがお行儀よく並ぶよりも、玉石混淆のほうが面白いんじゃんと俺は思っている。例えは悪いけどまずいラーメン屋に当たったときにこそ、うまいラーメン屋が輝くみたいな(笑)。その意味で、「クラウドファンディングは神経質な人、金の損失が絶対に許せないタイプの人には向かないよ」と先に言っておいたほうがいいかもしれない。

それでもこれから先、クラウドファンディングはどんどんハードルが下がって、日本ならではの雰囲気を携えながら、より一般化していく可能性が高いと思っている。それに伴いプロジェクトの質も「玉石混淆」っぷりを強めていくんじゃないかな。「こんなバカな企画、誰も金出さねえよww」と思いつつ「でもうっかり買ったら便利だったわ!!」みたいなヒットがたくさん生まれることを心から願っています。

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