このほか、2つの注意点があります。

要領の悪い人が陥りやすいのが、情報集めや資料集めでのミスです。

仕事を効率よく進めようとするあまり、いつまでもネット検索して参考文献やコピーペーストできる資料を探す人がいます。情報収集は必須ですが、時間を掛け過ぎてしまうとロスが生じます。やみくもに探すのではなく、情報収集の前に自身で仮説を立て、その仮説を裏付ける情報がないかを探します。これも期間を区切ることをお勧めします。

また、大きなプロジェクトを任された時は、プロジェクトをいくつかのフェーズに切り分け、フェーズごとに必要になる作業手順と小さなゴールを設定して進めます。例えば5つのフェーズに分けておのおのの作業手順を組み立て、それぞれゴールを設定します。「国内外の市場動向と分析」「注目したい成功事例」「目指したいビジネスモデルとその策定」「事業計画」「作業スケジュールと予算」といった具合に切り分けます。

大きな仕事ほど切り分けて考え、仕事を進めていくと、負担感は軽くなります。また小さなゴールを到達する度に達成感に満たされる効用があるので効率よく進めることができます。

「完璧主義はNG」100%の完成度を求めてはいけない

ポイント③:同僚を巻き込み、上司と方向性を擦り合わせる 

頭がよい人ほど、すべて独力で仕事をこなそうと考える人が多いようです。しかしこの発想は、孤立したり独断専行したりする弊害を生む恐れがあります。ひとりで考えてもアイデアが浮かばず悶々とする時は、自分だけで抱え込まず、上司や同僚に相談しましょう。

床に散らばる資料の上に疲れ果てて横たわる男女
写真=iStock.com/miko315
※写真はイメージです

カジュアルな方法としては、同僚をランチに誘ったついでに相談するという手があります。またアイデア会議の開催を呼びかけ、チームメンバーに助けてもらう方法も効率的です。

そして、要領よく仕事をこなす上で極めて重要なのが、進捗状況を上司に報告しつつ、疑問点は事前に相談してから作業を進めることです。

何時間もかけて作った資料が、上司からダメ出しされ、最悪の場合にはやり直しになることもあるでしょう。結果的に要領の悪い仕事になってしまいます。やり直しを避けるには、期待されているアウトプットと自分が取り組んでいる内容に乖離かいりがないかを定期的に上司に確認しながら作業を進めることです。

途中段階でもフィードバックをもらうこと。こうした手順を一つひとつこなすことで、最短距離でタスクをこなし、結果として効率的な働き方を実現することができます。