野田聖子氏が立候補を表明し、4候補が出そろった自民党総裁選挙。4候補はテレビの報道番組に出ずっぱりだが、民放の場合はどの番組も安易な「○×」式で政策の中身を答えさせようとすることにネット上で疑問の声が上がっている。しかし19日朝の「日曜報道THE PRIME」では、メインコメンテーターの橋下徹氏が4候補の主張に鋭く切り込み、丁々発止ちょうちょうはっしの議論を展開した。橋下氏の狙いは何か。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(9月21日配信)から抜粋記事をお届けします。

(略)

国の方向を左右する自民党総裁選でメディアは何を伝えるべきか

とにかく、各候補者はメディアを活用しなければ多くの自民党員と国民に自分の訴えを届けることができない。

しかし、メディアもこの役割を果たすのがほんと難しい。

メディアと言っても、所詮しょせん、人間の集団。しかもスーパーマンが集まっているわけではないからね。

自民党員や国民に伝えるべき情報は何か、逆に自民党員や国民が各候補者に伝えたいと思っている情報は何か。

橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)

この選別と練り上げこそがメディアの力が問われるところだ。しかも番組には時間制限がある。

今回僕がレギュラーコメンテーターとして出演している「日曜報道THE PRIME」で心がけたことは、各候補者に○×で答えさせることは止めようということだった。

17日から始まった総裁選告示後の各テレビ番組や、それ以前の各候補者が単独で出演していたテレビ番組では候補者に○×で答えさせるものが多かった。

これはテレビ側の事情としては理解できることだ。テレビの特徴は「視覚」。どうしても見てすぐに分かる番組作りに流れやすくなる。

しかし国家政策について、単純に○×で答えられるものは少ないし、逆に無理やり○×で答えてもらおうとすると、非常に簡単な単純な質問になってしまう。

そこで「日曜報道THE PRIME」の制作スタッフと議論した結果、今回はテレビの事情は横において、○×方式は採らないことに決めた。

僕自身が「○×なんかで単純に答えられるわけがない!!」

僕も日本維新の会の党首だった時に、党首討論会に何度も参加した。「日曜報道THE PRIME」の前身番組でも党首討論会をやってくれた。

そのときに○×で答えさせられるものも多く、その場合僕は札を挙げないか、両方の札を挙げることが多かった。ときには札を自分に対して垂直に向けて○×が見えないように挙げた。そしてぶすくれた顔で「○×なんかで単純に答えられるわけがない!!」と答えたものだ。印象最悪。

だから、「日曜報道THE PRIME」でも○×方式は止めようと意見した。

加えて他番組で扱っている話題はできる限り避けた。

ということで、日曜日朝の7時半の一発目から、日本がアメリカから中距離ミサイルの配備を求められたら受けるのか? という問いから始めた。

高市さんのみが「YES」だった。

さらに、アメリカの中距離ミサイルには核弾頭を載せる可能性がある。そうであれば、非核3原則の「持ち込ませず」を変更するのか? と問うた。

日曜朝のゆったりした雰囲気には、およそ似つかわしくない(笑)

経済政策のところでは、解雇規制の緩和を認めるのか? という問い。

社会保障政策のところでは、年金制度の問題点を深掘りした。

(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約7000字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.264(9月21日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【白熱!自民党総裁選(1)】男女同数立候補の歴史的総裁選で国民が注目すべきポイントは?》特集です。

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