「属人化防止術」をうまく回すには?

普段から「そのタスク」をやっている回数が多い人は、経験に伴うこだわりが出てきたり、完成度のハードルが上がるので、満足のいくポイントまで行なってもらおうと思うと、依頼する相手(夫婦どちらか)と喧嘩になる可能性もあります。

属人化を防止するコツは、相手に完璧を求めないことです。6割程度でいいので、どちらがやっても、とりあえず生活に支障がないレベルの合格ラインになっているか、また誰が見てもすぐに理解できる仕組みになっているかが大きなポイントです。

例えば、「体温計はいつもキッチンの電子レンジの上」など、具体的な場所が紐づいているとわかりやすいですよね。「ほら、あの場所、あの引き出し」ではなく、モノの住所になるように、わかりやすく箱を置く、ラベルを貼るなどして、誰が見ても(祖父母やシッターさんなど他人が見ても)わかるようにしておけばOKです。

赤ちゃんにミルクをあげる夫婦
写真=iStock.com/Milatas
※写真はイメージです

「お互いがその作業をカバーできるところまで、属人化を防止すること」が合格ラインになります

「感覚的マネジメント」と「行動マネジメント」を使い分ける

感覚的マネジメントに関しては、本人にしかわからない「お世話相手特有のこだわり」があります。

例えば、子どもの対応はわかりやすい一例です。お母さんと座るときは右側、お父さんとは左、ベビーシッターさんがいるときはまた違うケースがあったりします。

これはどうしても「人に合わせて行動を変える」ため、属人化しやすくなってしまいます。

そうさせないためには、「これは感覚的マネジメント」だと割り切ります。マニュアルをつくったりせず、「子どもといる時間」を区切りにして、その時間の行動責任を全部、お世話する相手に渡してしまったほうがいいマネジメントスタイルになります。

逆に「行動マネジメント」に関しては、「ここまでやったら、ゴール達成」というように、マニュアル作成と、項目まで行動を細分化して示してあげたほうが、相手は動きやすくなります。

属人化防止のためには、「行動マネジメント」はマニュアル化し、「感覚的マネジメント」は、担当者(夫やシッターさんなど)に経験を通じて「その人の感覚」を培ってもらうのです。つまり、「感覚的マネジメント」では、こちらが「こうして、ああして」と口を挟さまないほうがうまくいきます。

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