また、何かを説明する際、「いつも目的から話すようにしているのに、なかなか動いてもらえない……」という声もいただきます。

目的を伝えても動いてもらえない。この現象が起こる理由はたった1つ。それは、「目的と個人の関係性が薄い」、これが原因です。

二流は目的を説明し、一流は“目的”だけで終わらせない

いくら、もっともらしい目的を語っても、それが個人にどう影響するのかが、イメージできないと、人は本気で動きません。

例えば、「業界に革新を起こすため、プロジェクトを立ち上げました」と言っても、それが実現されると自分に何が起こるのかが紐づかないと、やる気に火は灯りません。

そのプロジェクトが実現されると、「多くのスキルが身につく」「たくさんの方から感謝される」「生活が豊かになる」「歴史に名を刻むことができる」といった個人のメリットへの紐づけが必要です。

よく、人の心を動かすプレゼンテーションとして取り上げられるのが、スティーブ・ジョブズ。ジョブズは、なぜ聴衆の心を捉えたのか? それは、自分に関係があるからです。

2010年、「iPhone4」を発表するスティーブ・ジョブズ。
写真=Sengoku40/CC BY-SA 3.0/Wikimedia Commons
2010年、「iPhone4」を発表するスティーブ・ジョブズ。

例えばiPhoneのプレゼンなら、「自分がiPhoneを使ったら、何が実現できるか」「どんな未来が待っているか」、聴衆はワクワクしました。個人の生活にドンピシャで紐づいた瞬間です。

目的は単体では機能しません。目的と個人の関係性が強くなったとき、はじめて熱狂が生まれます。

実現したいことを説明するときは、

・目的=何のためにそれをするのか?
・個人への関係性=それを実現すると自分に何が起こるか?

この2つがバチッと合った瞬間、聞き手に覚醒が起こり、爆発的に動きだすときがやってきます。

一流は、目的と個人の関係性を説明する

「意見が対立したら」三流は沈黙する

仕事をしていると、意見が合わず、対立することも結構ありますよね。

結論からいきます。対立したら、ファクトで勝負してください。ここで言うファクトとは事実。つまり実際にあった出来事や数字です。

白熊が白いのは事実です。『鬼滅の刃』がヒットしているのは誰が見ても明らかです。興行収入が400億円となり、『千と千尋の神隠し』を超え歴代1位となりました。

仕事でも、「なんとなく売れそうです」と言うのと、「1000人に実際に使ってみていただいたところ、80%の人がすぐに欲しいと回答しました」では、説得力がまったく違います。やはり、ファクトに勝るものはありません。

最近noteというブログ版SNSが爆発的な伸びを見せています。これを社内で活用したいと思ったときに、「自社でもnoteを使って発信していきましょう。なぜなら流行っているからです」これでは、納得してもらえません。