顧客との「心」を継続してつなぐ事業を送り出し続ける

三菱地所の場合も原点は、本業、既存事業を徹底して大切にすること。それはつまり、社員が顧客と「心」で向き合い「顧客リレーション」を徹底して大切にする。誰か一人のことではなく、全員がやる。

しかし時代は常に変化しており、市場の求める事業も変化している。するとそこに、今のままの事業だけでは、望む未来へ前進しきれない可能性が見えてくる。変わらなければお客様が離れていってしまうだけ。

こうした状況下においても適正に打ち手を講じながら「数字」を維持し、適正な経営を行う。そのために顧客との「心」を継続してつなぐ事業を送り出し続けること。失敗をいとわず、こうではないかと思うことをいろいろやって模索してみる。

三菱地所は2020年代以降のまちづくりを「丸の内NEXTステージ」と位置付けていますが、2030年への「NEXT」(未来への種)はそこにある。そのための挑戦のひとつが三菱地所における新事業創造であり、若手であろうが当事者意識を持った人間が中心に各プロジェクト進めていくということなのです。

初夏の丸の内オフィス通り
写真=iStock.com/Moarave
※写真はイメージです

現代の世の中には、様々な経営管理手法が展開されています。そうした技法を身につけていくことは必須である一方で、どのような事業においてもそこには常に「人」が存在しています。「人」が幸せ、喜び、感動を感じるものの結集体が大きな「数字」へと繋がり、結果的に収益を生む「温度ある経済の環」となる、ということを忘れてはなりません。

そしてそれを実行する事業創造家「ビジネスプロデューサー」は、変化する今の時代にこそ求められているのです。

◆訂正
初出時に30代社長は5人としましたが、正しくは7人でした。訂正します。

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