中国は弱腰の韓国を利用して揺さぶりをかけている

韓国の文在寅政権は政権発足時から北朝鮮に対して融和路線を引いて北朝鮮との経済協力事業の再開を強く目指してきた。一方、中国は2017年に習近平(シー・チンピン)政権が韓国の文在寅政権に対し、「日米韓の協力を軍事同盟には発展させない」とまで約束させている。

中国の北朝鮮に対する影響力は強い。融和政策を取り続ける文在寅政権は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記には甘くなる。中国の習近平政権はそんな弱腰の文在寅政権の足元を見て日米韓3カ国の連携にクサビを打ち込んで揺さぶりをかけ、日本とアメリカを牽制しようと企んでいるのである。

北朝鮮のミサイル
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韓国はアメリカを信じ、日本とも和すべきだ

文在寅政権の苦しさも分からないではない。安全保障でアメリカに依存しながらも、北朝鮮の非核化に向けては中国の影響力に頼らざるを得ないからだ。韓国は大国のアメリカと中国のはざまで苦悩している。

だからといって中国になびいてもらっては困る。ここはアメリカを立て日本とも和すべきである。それしか韓国の道はない。来年3月には大統領選が行われ、文在寅大統領の任期は来年5月までと残すところあと1年余りだ。4月7日に投開票された大統領選の前哨戦となったソウルと釜山(プサン)の両市長選では与党が大敗した。文在寅政権の人気はかなり落ちている。

※編集部註:初出時、「文在寅氏の再選は難しい」とありましたが、韓国大統領の任期は1期5年で再選はありません。当該部分を削除します。(4月14日22時50分追記)

大統領選で韓国に親日親米の新政権が誕生すれば、北朝鮮に対する制裁の強化は進むし、強権的な中国も抑え込むことができる。

4月2日の日米韓協議の共同声明では、中国を名指しすることはしなかったものの、「ともに共通の安全保障上の目標を守り、その目標に向かって前進していく」と明記された。