NTTはセブン‐イレブン専用の太陽光発電所を新設

NTTは3月末にセブン&アイ・ホールディングスとの間で、再生可能エネルギーをセブン&アイ傘下の店舗に供給する契約を結んだと発表した。NTTが店舗の脱炭素を進めるセブン&アイのために専用の太陽光発電所を新設。20年の長期契約で電力を販売するという内容だ。

NTTはエネルギー子会社のNTTアノードエナジー(東京・千代田)を通じて、千葉県内でセブン&アイ専用の太陽光発電所を2カ所新設。6月から首都圏のセブン‐イレブン40店などに電力を供給する。千葉県の発電所で足りない電力はNTTが所有する太陽光やバイオマスの発電所で賄うことで、店舗運営に使用する電力を100%再生可能エネルギーにする予定だ。

2017年12月12日、大阪のセブン‐イレブン
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対象の店舗は東京電力など大手電力との契約を解消し、NTTとの契約に切り替えるという。NTTは2020年夏に再生エネ事業の拡大を明らかにしていたが、これが初めての大型契約となる。NTTは年1000億円を投じ、小型発電所や蓄電設備を全国に設けるほか、小売りの分野でも三菱商事と共同で市場開拓を進める考えだ。

東電もHD傘下に東電リニューアブルパワーという再生エネ専門の子会社を持つが、今回のセブン&アイのようなケースが続出し、東電離れが続くようだと、経営の屋台骨が大きく揺らいでくる。

関西電力では使用済み核燃料の問題が再び暗礁に

東日本大震災から3月で10年。就任早々、菅首相は福島を訪ねており、政権発足直後は各地の原発再稼働への期待は強かった。

福島第一原発の処理水放出を巡っては、政権発足直後の昨年10月末に政府決定がされる予定だった。しかし、地元漁協などとの調整不足が露呈。決定は持ち越された。処理水について、政府はようやく週明けにも海洋放出の決定をする見通しになったが、地元や漁業関係者の東電や原発に対する反発はやみそうもない。

関西電力では使用済み核燃料の問題が再び暗礁に乗り上げた。同社は稼働から40年以上たった原発の再稼働を福井県から認めてもらう条件として、昨年12月末までに使用済み核燃料を同県外に搬出することを表明していた。

しかし、同じ福井県の森山栄治・高浜町元助役との金品不正受領問題で、会長・社長に加え、原発にかかわっていた幹部が一気に退任した。急遽、森本孝社長が登板することになったが、原発事業関連の経験が乏しく、福井県などとの調整は「ほとんど手掛けてきたことはなかった」(関電幹部)。