1勝するために2億円以上かけた名古屋グランパス

上位5チームは、1勝するために平均約1億円だったのに対し、下位5チームの平均は1億7500万円と75%も多く人件費をかけていたことになる。神戸と名古屋に関しては1勝あたり2億円以上をかけていた。このランキングにおいて優等生の川崎Fはこの4年間で3位が1回、優勝2回とトップ3入りを3回果たしている。

もう1チームの優等生である広島も優勝1回、準優勝1回とトップ3入りを2回果たしている。仙台は4年間J1で中位を維持し、札幌も昇格2年目に4位という成績を残している。湘南は、2015年に16位の人件費で8位と一桁順位を達成した。2016年に降格したが、翌年にすぐにJ1に復帰し、その年も人件費16位ながら13位でシーズンを終えた。一方、下位5チームの中では、浦和のみ2回トップ3入りしているが、柏、名古屋はJ2降格という経験もした。

大企業を親会社に持つ5チームがなぜ下位なのか

この図表を見ると面白いことに気が付く。上位5チームは、特定の親会社を持たない、いわゆる市民クラブなのに対して、下位5チームは、日産、三菱自動車、日立、楽天、トヨタと日本を代表するそうそうたる企業を親会社に持つ。これらの企業は、秒単位、ミリ・ミクロン単位のオペレーションやリアルタイムのデータ分析、そして、人事評価等組織マネジメントで日本のビジネス界をリードしてきたはずなのだが、サッカーにおいてはそのノウハウが持ち込まれていないということなのだろうか。

サッカーデータ革命』(辰巳出版)の著者クリス・アンダーソン氏は、弱小チームから革命が起きると予測していた。この結果を見る限り、日本でもその予測は当たっているのかもしれない。

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