政治的にも経済的にも大きな摩擦が生じている

その怖さの源泉は、国際社会からの批判だ。3人が発信するたびに、国際会議などで批判を受け、政治的にも経済的にも大きな摩擦が生じている。

関税の引き上げをめぐる米中貿易戦争や、トランプ大統領による「中国が新型コロナウイルスを世界中にバラまいてパンデミックを引きこした」との非難はそのいい例だ。

12月3日付の朝日新聞は「香港の法治 言論の弾圧をやめよ」との見出しを掲げ、冒頭からこう主張する。

「平和的に街頭で意思を表す自由が封じられてはならない。デモ活動をした香港の若者らに対する弾圧に強く反対する」

香港機動隊
写真=iStock.com/Joel Carillet
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見出しの「言論の弾圧をやめよ」は生ぬるいと思う。冒頭の「弾圧に強く反対する」も中国と香港の両政府には通じない。

12月4日付の記事「『豪首相は激怒』なぜ中国報道官は“陰惨なフェイク画像”で豪州を挑発したのか」でも書いたように、中国は過激な言葉を使って気に入らない国をとことん非難する。そんな中国に対し、「やめよ」や「反対する」といった表現では不十分だ。「実刑判決を取り消せ」などと具体的に主張しなければいけないだろう。

香港政府を操る習近平政権の異常さは、悪政そのもの

朝日社説は指摘する。

「昨年以降、香港の言論をめぐる状況の悪化ぶりは目を覆うばかりである」
「3人だけではなく、昨年の抗議行動を理由に拘束された者はすでに1万人以上にのぼり、うち2千人以上が起訴された」
「苛酷な法執行を通じて、市民らの言動を威嚇しようとする当局側の意図は明確だ」

1万人以上の身柄を押さえ、2千人以上を起訴する。香港政府を操る習近平政権の異常さは、悪政そのものである。このまま弾圧を続ければ、国際社会だけでなく中国の内部からも非難の声が上がるはずだ。

朝日社説は続けてこう指摘する。

「このままでは香港基本法で保障される『独立した司法権』が脅かされ、自由や民主を唱える市民に広く厳罰が科されるのでは、との声は強い。この3人を含む大量の訴追と刑罰は、その懸念が現実のものになっていることを感じさせる」