趙氏の上司はツイートを擁護し、豪側の要求に応じなかった

産経社説はこの訴えの前にこうも指摘している。

「趙氏の上司である中国の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は『犯罪行為を非難することが不当なのか』と擁護し、豪側の要求に応じなかった。画像はインターネットで見つけたもので誰が作ったか分からないとした」
「香港や新型コロナウイルスをめぐる豪州の批判に中国は反発し、豪産品の輸入停止、制限などで不当な圧力をかけている」

華報道官は報道局長だ。上司に当たる報道官が、部下の副報道局長の報道官をかばう。もはや趙氏だけの犯行ではない。中国政府による国家的犯罪行為と断定すべきだ。ツイッターは中国では一般的に禁じられている。そのツイッターへの投稿が許されるのもおかしな話である。趙氏の投稿は事前にチェックされ、中国政府からお墨付きをもらっているはずだ。

「目を突かれて失明しないように気を付けよ」とも言い放つ

産経社説は書く。

「趙氏は今年3月、新型コロナをめぐって『米軍が感染症を武漢に持ち込んだかもしれない』とツイッターに投稿した。これも根拠を示しておらず、ポンペオ米国務長官が『今はデマを拡散したり奇怪な噂を流したりしている場合ではない』と抗議した。趙氏は11月には、香港をめぐる米英豪など5カ国の外相声明に反発して『目を突かれて失明しないように気を付けよ』と言い放った」

「米軍が持ち込んだ」も「目を突かれる」も一方的な批判である。しかも根拠のない「奇怪な噂」というから開いた口がふさがらない。