昨年から変わった3カ所に注意

点線の囲みで、【昨年から変わっています!!】とあり、「基礎控除」「ひとり親控除」「所得金額調整控除」が挙げられている。

それぞれに計算方法も網羅されているが、「ひとり親控除」に該当するかどうかは、デリケートな問題でもあり、給与担当者の方から確認しづらいのではないだろうか。自分の状況がどれに該当するのか、各自で確認し、申請することが必要だと思う。

一通り、申請書の記入が終わったら下記の「年末調整を受ける際の注意事項(給与所得者用)」と照らし合わせて、記入もれや考え違いをしていないか確認しよう。

さらにスクロールすると「年末調整チェック表(誤りやすい点)」として、「令和2年分年末調整チェック表(源泉徴収義務者用)」がある。こちらは、本来、給与担当者がチェックのために使うために作成されたものだが、サラリーマンの方が申告書を提出する前に誤りがないか確認する際に利用してもよいだろう。

申請書
写真=iStock.com/marchmeena29
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扶養親族と離れて暮らしている場合はどうなるか

さらにスクロールしていくと「年末調整に関するQ&A」という項目がある。その中の、「年末調整Q&A」というPDFでは、年末調整について、税務署等に比較的多く寄せられる質問や誤りやすい事項について問答形式で解説している。

[問3]当社の従業員Aは、国内で離れて暮らす両親を控除対象扶養親族として「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載しています。別居している親族を控除対象扶養親族としてもよいのでしょうか。
[答]別居している親族であっても所得者本人の扶養控除の対象とすることは可能ですが、その場合、別居している親族に対して常に生活費、療養費等の送金が行われているなど、所得者本人と生計を一にしている必要があります。

(注)扶養控除の計算を正しく行うため、銀行振込や現金書留により送金している事実を振込票や書留の写しなどの提示を受けて確認することをお勧めします。
なお、国外に居住する親族について扶養控除等の適用を受けるためには、当該親族に関する「親族関係書類」及び「送金関係書類」が必要となります。

上記の[問3]のQ&Aを読んで、どんな感想を持たれただろうか。

「別居している親族に対して常に生活費、療養費等の送金が行われているなど、所得者本人と生計を一にしている必要があります。」という部分。

ここで、ちょっとわかりにくいのが「生計を一にしている」という言葉だ。所得税法の中には、寝食を共にしていなくても、生活できるだけのお金を渡していれば、扶養親族として構わないという考え方がある。そして、その金額については、具体的に提示されていない。