日本ではたぶん「ああ、発熱ですね。簡易キットでインフルとコロナの検査をしましょう」「コロナ陽性でした。軽度の発熱だけなのでお家で休んでいてください。承認された薬をお出ししておきますね。具合が悪くなったらすぐ連絡お願いします」ぐらいの対応になっていくことでしょう。

「PCR検査」や「陽性者数」より大切なこと

1年が経過し、感染者拡大と重症者増加は別物であることもインテリジェンスの高い国民は理解しました。海外で数万人に感染拡大とメディアが騒いでも重症者が以前より増加しにくいことや、海外と異なる日本の状況をインターネットで確認できます。

最新のウイルス変異体の流行を受けて考察が行えたり、引用元に即座にジャンプして確認できたり、文章がサイバークラウドに保管されていたりするなど、オンラインジャーナルは有用性と機動性が高いことを再認識しています。2009年新型インフルエンザの時よりも私たちの状況は改善しファクトを得やすくなっています。

国内のことは終わらせて、世界に目を向ける必要が出てきています。

米国は大統領選挙後に長期間にわたり混乱が続くことでしょう。その影響は世界規模になるはずです。ドイツの外相は、「米国が内政にとらわれ、世界に対する関与が薄れても、欧州はそれに対応していかねばならない」(注35)と述べています。

欧州ではロックダウンも必要になるかもしれませんが、大きな混乱もなく日本はV字回復しつつあります。アジア・オセアニアでは被害は少ない。私たちは、世界を落ち着いて俯瞰して自分のポジショニングをしていくことが大切です。PCRの信頼性が大きく揺らいでいますが、幸いにも封じ込めや追跡の必要性も低下しています。

大きく構造を変化していく世界の中で、自分たちで自律的に考え能動的に未来を構築していく必要があります。疾患によって世界構造が大きく変化していくことは、驚くべき現象です。

医療先進国の日本にはこの流動性はチャンスです。ビジョンを持って、日本の新しい国際関係や未来を作っていくべきです。参考資料も添付しています。サイバースペースにある一つずつ組み立てられたこの連載が、皆さまの能動的思考の一助になれば幸いです。