「新型コロナの感染状況『入院患者増加に転じている』専門家会合」(注12)と警鐘を鳴らし続ける一方で、コロナの巣窟だったはずの東京都が「『都内観光促進事業』もっと楽しもう!TokyoTokyo」の追加キャンペーン(注13)を始めました。「GOTOトラベルと組み合わせると、ほぼ無料で宿泊!でも売り切れました」というテレビ番組がめじろ押しです。

「コロナ『不安』8割 都調査、都市ボランティア対象」(注14)と国民の不安感が無くなる前にGOTOイートや地域振興券なども投入されました。さらに利用可能範囲が広がったり狭くなったりしてカオス状態です。

私は、そのカオスの中で不安の霧を晴らす作業を行いつつ、希望を持って実証実験を繰り返して未来の形を作り続ければいいと思っています。正しい認識のもとに、灯りを掲げる人々が次々に増えてきていることは心強いものです。

ロックダウンは今後も必要ない

9月下旬になり4月の時点で「政府が『一斉休校望ましい』、諮問委は却下 4月会合で 新型コロナウイルス」(注15)と専門者委員会と政府の齟齬があったことが報道されました。

休校よりも、再開を語るべきだと医療者は主張していたとのことです。子供たちへの休校やリモート授業の影響の大きさについては、皆さんも経験されたと思います。入学と同時に休学になったため、エンカウンターに失敗して登校できなくなった生徒さんに私もお会いしました。

こういった時には、世界的な視点から俯瞰することが大切です。10月12日に、WHOのCOVID-19特使であるデビッド・ナバロ博士は、英スペクテイター誌のインタビューに対し、「WHOは都市封鎖を主要な管理方法として使用することを提唱していない」と答えています。(注16)

「新型コロナ、絶滅の可能性低い」(注17)という認識に至っています。封じ込めや絶滅させることは不可能で、欧州のように変異を繰り返し人々の中に存在し続けるわけです。感染制御の面だけを考えるなら強力な外出禁止や都市封鎖策は、よっぽどのことがない限り有効ではなく必要ないものです。