(PANA=写真)
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自由民主党幹事長 石原伸晃(いしはら・のぶてる)
1957年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本テレビ放送網を経て、90年より衆議院議員を務める。2001年、小泉政権の特命担当大臣として初入閣。国土交通大臣などを経て、10年、第45代自民党幹事長に。


 

著名なる石原都知事の長男であり、現代版「華麗なる一族」の跡取りだ。1990年に初当選。98年の金融国会では政策新人類として頭角を現す。小泉内閣では行革担当相と国土交通相を歴任。安倍政権では幹事長代理、そして去年、幹事長へと上り詰めた。父慎太郎が都知事4選を果たし、強烈な存在感を示しているのとは対照的に最近、どうも存在が見えない。大震災が起きて、お決まりのように被災地を視察したが、腕まくりをしながら先頭に立って復興に尽くす、ニューリーダーとしての力強さが伝わってこない。

政界サラブレッドは、劇場政治の役者として注目されたが、今後は、その劇場を自分で築き運営する腕力が問われる。かつて、あるメディアが「チャンスに打てない中軸打者」と皮肉った。国交相時代、当時の日本道路公団総裁を解任しようと呼びつけたら逆襲され、幹事長代理時代には、郵政造反組の復党反対の矢面に立って釈明に追われた。今でも党内からは「攻撃力に欠ける」と批判が上がる。チャンスに恵まれながら、坊ちゃん特有の「打たれ弱さ」と「のん気さ」ばかりが目立ち、時代を築くような力量はいまだ見えない。

出馬以前は日本テレビの記者だった。運輸省を担当していたとき、あの日航機の御巣鷹山事故が起きる。しかし、ご本人は海外旅行中。不測の事態だから、これは仕方がない。ただ日航を所管する官庁の担当記者だ。普通なら一目散に帰国して、死に物狂いで取材にあたるはずだ。ところがなんと、石原氏はそのまま旅行を続けた。それなりの理由もあるそうだが、誰が何と言おうと言うまいと、記者ならば戻ってくるはずだ。この「のん気さ」は大人物の片鱗か。しかし、将来、総理になることがあるとすれば、危機管理の意識はしっかりもってほしいものだ。