どうしてそうなったんだ、と叱るよりも、「あなたはどうしたい?」と問いかけ、子どもと大人がともに考え、解決へと進んでいく――こんな子どもへのアプローチがもとになって生まれたチーム活性化プログラムが「リチーミング(reteaming)」だ。

リチーミングはフィンランドで生まれた。精神科医ベン・ファーマン氏と社会心理学者タパニ・アホラ氏が開発した問題解決およびチーム再構築のプログラムである。

フィンランドは教育力の質の高さでも知られるが、リチーミングのもととなるキッズスキルという手法は、もともと1990年代半ばに小学校の特別学級にいる現場教師とファーマン氏によって生み出された。子どもが直面する問題を解決するには、原因を探る(問題志向アプローチ)のではなく将来どうなりたいか(解決志向アプローチ)を考えることが有用である。

90年代、フィンランドの失業率は大幅に低下した
90年代、フィンランドの失業率は大幅に低下した

キッズスキルを大人向けに活用したリチーミングは、メンバーの個性や能力を活かし、逆境をチャンスに変えられるプログラムとして評判を集め、ノキアが導入するなどヨーロッパを中心に広まっていった。

日本での導入例で最近増えているのは中小企業や商工会議所、経営者団体なのだという。EAP総研代表取締役社長の川西由美子氏は「同業他社の方々とともにリチーミングを行うことで、競合ではあるものの、力を合わせて業界自体を底上げしようという考えにつながる」のだという。

震災により、人のつながりの大切さが見直されている。企業の枠を超え、日本という“チーム”が活性化しているのかもしれない。